大映仁侠映画「博徒一代・血祭り不動」を観る

1969年公開の大映仁侠映画。
当時東映仁侠路線の人気が継続中で、
わざわざ東映の脚本家・高田宏治を招き製作された。
一世を風靡した人気スター、市川雷蔵の遺作。

あらすじ

渡世の義理からやむなく男を殺した桜田丈吉(市川雷蔵)。
殺した男の妹・お園(亀井光代)に憎まれながらも、
金を作るため盆に向かうが、失敗してしまう。
危ないところを小洗音次郎(近衛十四郎)に助けられ命を預ける。

そして6年後――。

務めを果たした丈吉は石油景気でにぎわう新津を訪れた。
そこでは弟分の勇一が成長して大戸国五郎(遠藤辰雄)一家のいい顔に。

北陸一円を差配する長丸一家の争いに
嫌が上でも巻き込まれていった丈吉は、
音次郎や勇一と対決を迫られることになる――という話。


感想

市川雷蔵の遺作なのだが、近衛十四郎の方が目立つ(笑)
もともと市川雷蔵本人はこの仁侠作品にあまり乗り気ではなかったらしい。

まあ確かに東映の真似事してどうすんの、という話ではある。
しかし本人の乗り気はさておき、
ここという場面でのカッコよさはさすがというほかはない。

世間で言われているほどひどい作品ではない。
金田龍之介が善玉というのもかなり珍しい気がする(笑)
しいていえば女性陣が弱いかなあ。

このあと長谷川伸原作「関の弥太っぺ」の撮影に入るも
3日間撮影した後、入院して手術を余儀なくされ降板。

翌年、川端康成原作「千羽鶴」でカムバックすべく
衣装合わせまで行うも病で倒れて降板。
1969年7月17日、がんによってこの世を去った。

次の年に大映が倒産することになるわけだが、
もし市川雷蔵が生きていたならまだもったのかどうか。

あるいは現代の医学であれば、早世することはなかったのか。

歴史のイフというのはきりがなく
意味がないことかもしれないが興味はつきない。

現代に生きていてもスターになれたかどうかはわからないのだし。
結局、人間というのは生きている時代の中で頑張るしかない。

確実に言えることは、
市川雷蔵の映画はこれからも残っていくということだけだ。

残るものを作らんといかんなとあらためて思う今日この頃。

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