日本においてスポーツ映画は歴史的にイマイチの時代があった。
「ドカベン」などの漫画が映画化されたこともあったが
今では珍品扱いされてもおかしくない出来である。
圧倒的な予算と時間をかけたハリウッド映画には
試合シーンの迫力などで勝てるはずもない。
転機となったのは1991年、相撲を描いた映画「シコふんじゃった」辺りからだろうか。
日本らしくスポーツ・青春・笑いを大事にしたドラマ作りの流れは
21世紀に入ってからの「ウォーターボーイズ」などのヒットで
ようやく1つのジャンルとして定着してきた気がする。
で、「武士道シックスティーン」。2010年公開。
5年も経つんだねえ。つい最近みたいな感じだけど。
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内容は剣道への向き合い方が全く異なる女子高生2人が、
互いに影響しあう中で成長していく姿をユーモラスかつ爽やかに描いている。
やっぱりユーモアと爽やかさは大事だ。
そういうとこ抜かしがちなんだよねえ。
なぜ人は戦うのか、勝つことの意味は何か、
真の強さとはといったスポーツをやる、
もしくはやったことのある人なら誰でも
自分に問いかける普遍的な問題を
「イマドキ」の視点で描いているところが素晴らしい。
この「イマドキ」という部分も抜けがち。
もっといえば「イマドキ」らしく見える工夫を
ちゃんとしているということ。
なんせ「イマドキ」とは「イマ(現在)」に「ドキ」ッとすることなのだから。
変に恋愛の部分を入れず剣道を通じて
少女達の成長物語を中心にしているところもいい。
その方が自然と少女達を応援してしまうのだ。
しかし、北乃きいは何をやってもうまい。
彼女に自分の作品に出てもらえるよう頑張ろっと。