唐十郎監督・ATG映画「任侠外伝 玄界灘」を観る

1976年公開のATG映画。
状況劇場の唐十郎が初めて監督をした作品。
出演は安藤昇、宍戸錠、根津甚八、李礼仙など。

あらすじ

玄界灘を渡って密航してきた韓国の女たちを
東京で売りさばく仕事の手伝いをしている近藤(安藤昇)。

ある日、血を売り過ぎてヘロヘロの若者・田口(根津甚八)を拾う。

密航の女たちを売っているおおもとは
東京に本拠を持つ沢木組の代貸・沢木(宍戸錠)。

近藤と沢木は大学の同期生だった。
25年前の昭和26年、二人は横浜で死体処理のバイトをしていた。

朝鮮戦争の最中だったため、そんな仕事はいくらもあったが
夜に屋台でラーメンを食べていた二人はバイトを思い出して吐いてしまう。

その屋台で知り合った男に誘われ、
二人はアメリカ軍属として釜山に渡る。

特権を得た二人はやりたい放題。
認識票を手に入れ、形見分けを届けた代わりに
身体を提供しろと無理やり女たちに迫る。

ある日、抵抗した女(李礼仙)を沢木が絞殺。
その死に顔が美しかったので死体を犯す近藤。

そんな暗い秘密で結ばれていた沢木と近藤だが、
密航で連れてきた女が殺した女と瓜二つだったのと
若者・田口の暴走で窮地に追いやられることに――という話。


感想

なんちゅうか不思議な味わいの作品。
それいらんやろみたいなカットも多々あり、
もっと刈り込んだ方がすっきりするような。

あと近藤と沢木をもっと中心にして
奇妙な友情の二人の運命が分かれていく様を
丁寧に描いた方がピンとくるかなあ。

宍戸錠さんの演技がいいやね。
「わしはやりたくないんや!」と繰り返しながら
近藤に刃を向けて襲い掛かる姿に哀愁がある。

個人的に好きなシーンは
スト解除しようとする国鉄の連中に
代わりに運送で儲けたいからもっとやらんかいと
スト連中を「腰抜け!」とどつきまわすところかな(笑)

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る