1965年公開の東映映画。
主演は鶴田浩二、ヒロインは藤純子。
大木実、津川雅彦、藤山寛美、丹波哲郎ら
錚々たる面々が出演し、名作との呼び名が高い。
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あらすじ
舞台は明治時代の大阪。
土建業を副業に持つやくざ稼業の二代目、
木屋辰(嵐寛寿郎)が刺客(汐路章)に刺されてしまう。
木屋辰と野村(丹波哲郎)の仕事を奪おうとする
星野(大木実)と唐沢(安部徹)の策略だった。
しかし、証拠はなく一人息子の
春夫(津川雅彦)は酒浸りの日々。
木屋辰の幹部である浅次郎(鶴田浩二)は
娼妓・初栄(藤純子)と恋仲だったが、
初栄は唐沢から身請けを打診されていた。
二代目が亡くなり、浅次郎は三代目を襲名。
だが、堅気の仕事は春夫に譲られ、
感激した春夫は心を入れ替え真面目に働き始める。
しかし、星野一派の執拗な嫌がらせは続き、
春夫が襲われ客人の仙吉(藤山寛美)が殺され、
浅次郎の怒りが爆発する――という話。
感想
加藤泰作品の中でも評価の高い映画。
もっとも監督と鶴田浩二は全く合わなかったそうだが。
それが今日でも名作の誉れ高いのだから不思議なもんである。
最初の汐路章さんがアラカンを刺すところの
群衆シーンがとても印象的。
珍しく汐路章さんが無表情だったりするし(笑)
もっともこのシーン、監督が撮ったのではないと
何かで読んだような気もするような。
我らが汐路章さんは
ひっくくられて連れて来られても背後関係はゲロせず、
怒りに震えるアラカンの脚に流れてくる血を見てニヤリ。
憎々しさ抜群である。
流れる血を見てサッと手拭いで隠す鶴田浩二がかっこいい。
浅次郎が唐沢を突き刺して
視線の先に身請けされた初栄がいるってとこがたまらない。
このあたりの人間関係のアヤのつけ方が
評価が高い由縁なんでしょうねえ、やっぱり。
ドラマの濃密さという点では好きなんだけど、
なんやろねえ、映像としては他にもいいのはあるような。
そのあたりは好みだけど。