1981年秋クールのドラマ。全14回。
等身大の若い女性を主人公に据えたところが新しかった。
同じ金曜夜10時にスタートしたのが「北の国から」で、
名脚本家同士の対決が話題を呼んだ。
ある意味ドラマの黄金期を象徴する出来事といえる。
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あらすじと感想
主人公の女性3人組を演じたのは
田中裕子(香織)、森昌子(のぶ代)、古手川祐子(久美子)。
香織はOL,のぶ代はガム工場で働き、
久美子はロマンスカーで勤務している。
この3人がどこで出会うかと言えば、
安く海外旅行に行けると誘う勧誘員(柴田恭兵)の存在。
海外旅行の話が詐欺とわかって、
事務所に押し掛ける中で3人は知り合い、
柴田恭兵やそれぞれの家族、さらに田中美佐子などを
交えながら物語は進んでいく。
「会社なんてつまらない、真剣に恋愛して結婚もしたい。
でもこのまま結婚じゃ、あんまりつまらない。
なんか、ひとりの時のすっごくいい想い出がほしい」
と酔っ払った時に香織がつぶやくこのセリフが
3人の共通認識であり、ドラマのテーマになっている。
24歳が結婚適齢期だった時代の話である。
脚本:山田太一、演出:鴨下信一のゴールデンコンビ。
3人の女性の部屋のレイアウトは
それぞれ出演者自身に考えさせ決めたそうである。
今はそんな事せんわねえ。
昭和の時代が「想い出づくり」なら
平成の時代にこのドラマの延長線上にあったと思うのが、
1999年のドラマ「彼女たちの時代」だったような。
深津絵里、水野美紀、中山忍の3人が
友情と恋に悩みながら歩いていく姿を描いたこのドラマは
まさに平成の「想い出づくり」だったと思う。
このドラマを演出していた一人が
山田太一の娘さん、石坂理江子ディレクターというのも縁。
そうやって歴史は紡がれていくもんなのね。
果たして令和の「想い出づくり」はどんなドラマになるのだろうか。