1969年公開の東映映画。
阿部定本人が少しだけ出演している貴重な映画。
タイトルは明治・大正・昭和でも大正時代の事件はない。さすがだ。
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あらすじ
自分の妻がレイプされた上に殺害されてしまった男・村瀬(吉田輝雄)。
彼は監察医務院の執刀医だった。
なかなか犯人が捕まらないので、
警視庁の事件簿を読めば何かヒントが見つかるかもしれないと考える。
<東洋閣事件>
昭和35年、温泉客相手に土産物屋を営んでいた絹枝。
彼女はその美貌を使ってホテル東洋閣の経営者の愛人に。
このホテル自分のもんにしたろ、と考えた絹枝。
共犯者と共に連続殺人を犯し、成功したかに見えたが――。
<阿部定事件>
昭和11年、阿部定は情婦の局部を切り逃亡する。
死体には包丁で書かれた傷文字があった。
世間に衝撃をもたらせたこの事件は、
後に同じタイプのいわゆる「象徴切り」と呼ばれる事件を引き起こす――。
<小平義雄強姦殺人事件>
昭和20年、終戦直後の混乱期の中、
買出しに来た女性を次々とまさに食料をエサに強姦し殺害。
その数、実に7名。犯人は小平義雄(小池朝雄)。
昭和21年逮捕され、処刑される。こちらもその後模倣犯が現れた。
<高橋お伝>
明治9年に打ち首となったお伝。
流行り病で身体がボロボロになった夫の死後、
売られ続けやくざ者の市と犯罪に走るのだが――。
事件ファイルを読み終えた村瀬。
何も得るものなく自分の妻の事件も未解決になるのでは――。
不安を胸に資料室を出ていくのだった――という話。
感想
相変わらずのえげつない展開。
最初の東洋閣事件のモデルはホテル日本閣事件。
戦後初の女性死刑囚ということでたまに取り上げられる。
阿部定役の賀川雪絵さんは似合うなあ。
自分ら世代にはスパイダーマンのアマゾネスやけどね。
本人を出演させてるのは凄いわね。
まあ出演ていうかインタビューやけど。
小平義雄事件はひたすら小池朝雄さんが怖い。
戦前には妻の父親を殺して服役している小平。
野に放ってはいけない人間というのは今も昔もいるものだ。
犯罪予防というのはもっと真剣に考えないといけないのでは。
高橋お伝は毒婦と言われているが実情は少し違うようである。
金を貸す約束をしておきながらそれを翻した相手に問題があった。
いずれにしても貧困が招いた犯罪といえる。
人類の歴史というのは犯罪の歴史かもと感じさせられた一作。