名作法廷映画・ポール・ニューマン主演「評決」を久々に観る

1982年のアメリカ映画。
監督はシドニー・ルメット、主演はポールニューマン。
共演はシャーロット・ランプリング、ジャック・ウォーデン、
ジェームズ・メイソンなど豪華な布陣が話題を呼んだ。

あらすじ

バラ色のエリートコースを歩いていた弁護士フランク・ギャルビン。
ポールニューマン演じる彼は一流大学の法科を首席で卒業。
ボストンの権威ある有名法律事務所に迎えられて、たちまちボスの娘と結婚。

しかし、同じ事務所の先輩弁護士が陪審員に買収工作をしたことに憤慨。
不正を暴こうとした彼だったが、逆に買収工作の罪を着せられ逮捕。
不起訴になったものの事務所はクビ、妻とは離婚。

社会正義というものに幻滅したフランクは酒におぼれ、
今では酒臭い息を気にしながら葬儀社巡り。

新聞の死亡欄で係争になりそうな事故死を調べ、
葬式に潜り込んで自分の名刺を置いてくるのだが、
時々遺族にバレてどつかれる始末。

そんなフランクに救いの手を差し伸べているのは
かつて一緒に仕事をした老弁護士ミッキー(ジャック・ウォーデン)。

最近ではいよいよ愛想尽かしを始めていた。
ミッキーに叱咤され、フランクは彼が回してくれた仕事を調べ出す。

事件は4年前に出産で入院した女性が
病院のミスで誤った処置を施され植物人間になったというもの。

この医療ミス事件に関わるうちに、
単なる飲み代を稼ぐために取り組んでいたフランクは
死んでいた内なる心の灯が燃え上がっていくのに気づく――。

老練な弁護士コンキャノン(ジェームズ・メイソン)との対決、
重要証人の裏切り、偶然出会ったローラ(シャーロット・ランプリング)との恋。

不利な状況を乗り越え、フランクにもたらされた評決とは――という話。


感想

いつ観てもクライマックスの評決シーンにはグッとくる。
フランクは最終弁論で陪審員に切々と語る。
「不正の多い世の中で、今こそあなた方が
 正義を行いうる数少ないチャンスなのだ」と。

なぜに日本でこういう法廷映画が作れんかねえ。
そもそも裁判員制度やっとんのか?と思うぐらい話題にならん。

ていうかちーとも回ってこない。除外されてんのかな。
裁判員になったなんて話すら聞こえてこない。
どんだけ根付いてないねんとすら思う。

ま、それはいいとして映画の話。
なんつうてもフランクのキャラの良さ。

一言で言えば
「落ちぶれた弁護士が医療ミス裁判を通じて
 己の誇りを取り戻していく再生物語」ってこと。

やっぱり再生物語というのはグッとくるのだが
それだけにヘタうつとスカスカの映画になる。

このあたりは監督シドニー・ルメットのもとに集った
豪華出演陣・スタッフが実力を遺憾なく発揮してる点が凄い。

ハリウッドもこういうの作ればいいのよ、
大がかりなもんばかりやらんと。

構成力、キャラ、設定どれをとっても勉強になる作品。

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