1973年公開のATG映画。
頭脳警察の音楽が印象的。
タイトルもストレートでかっこいい。
主演は渡瀬恒彦、監督は中島貞夫。
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あらすじと感想
渡瀬恒彦・杉本美樹コンビっていいよねえ。
やくざ映画というよりは青春映画というか。
滅びの美学というか。
なんせドンパチがそう派手にあるわけではない。
ていうか、ほぼない。
上部団体同士の抗争もない。
要は100万円につられて組の鉄砲玉として宮崎に行き
好き勝手すらできずに外に出るのが怖くなって
女と寝てるかホテルの中でじっとしてるかできない男の話である。
ところが、これが面白い。
任侠や男気なんてファンタジーだぜと言わんばかりの映画。
ある意味やくざ映画にたいする鉄砲玉みたいな作品なんだな。
なにせ主人公が全くカッコよくない。
女の前でもめっちゃ言い訳。
しかも調子よくいうわけでもなく真面目に言い訳。
「お前のせいで俺は芽が出ない」そんなこと言う主人公がどこにおる。
で、そんなチンピラが鉄砲持たされ飛ぶわけだ。
イケイケどんどんと想いきや腰が引けまくる。
それでも最後ぐらいはなんかあんだろ、と普通は思う。
カタルシスだ~てなもんだ。
ない(笑)
自分の組と相手の親分が手打ち。
そこで怒り狂って殴り込みかける!ってことはしない。
逃げ出すんだなこれが。
で、拳銃持ってウロチョロしてたもんだから
警察に追われて観光バスの中ですごーく惨めに死んでいく。
ま、ちーとも盛り上がらんのだが
何か知らんけど共感できるんだなあこの映画。
予定調和感の無さがいいというか、
人間ってこんなもんだよねえって感性というか。
不思議な味わいのある映画。