松方弘樹主演映画「893愚連隊」を久々に観る

1966年公開の東映映画。
任侠映画が大ヒットしている時代に
ある意味アンチテーゼといえるチンピラを主人公にした映画。

あらすじと感想

監督・脚本は中島貞夫。
出演は松方弘樹のほか、天知茂、高松英郎、三島ゆり子、
ケン・サンダース、荒木一郎、近藤正臣、宮園純子など。
今日からみれば結構豪華な面々が揃っている。

冒頭からチンピラ感満載。
京都駅の表で松方弘樹が叫ぶ。
「金閣寺方面、どないだ」
要は白タクである。

ま、このようにひたすらセコイエピソードが積み重なっていく。
でも何となくおかしい。というか人間味がある。
割と好きなんだな、この映画。
久々に観てもやっぱりセコイなと思うけど(笑)

松方弘樹が主人公なのだが
カタルシスを感じるのは天知茂の方。
娑婆に戻ってきた天知茂が
高松英郎に組に入るよう誘われるのだが
「天皇たら親分たらは嫌いなんや」と名セリフ。
もっとも「天皇たら」の音は消されるのだが。

で、結局天知茂は松方弘樹らのチンピラとは別れ、
変貌する組織に抗いやられていく滅びの美学をかましてくれる。

そのカッコよさは今日の俳優ではなかなか出せないだろう。

一方、セコさが武器のチンピラ連中も
男気というかやくざへの反発心がやっと芽生え
「やったろうやないけ」と金を奪うが――。

まあ、やっぱり成功はしない。
死ななんだだけマシであるが。

そしてラストに松方弘樹が伝説の名セリフ。

「ネチョネチョ生きとるこっちゃ」

結局、人生この姿勢が一番大事な気がする。

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