1966年公開の東映映画。
任侠映画が大ヒットしている時代に
ある意味アンチテーゼといえるチンピラを主人公にした映画。
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あらすじと感想
監督・脚本は中島貞夫。
出演は松方弘樹のほか、天知茂、高松英郎、三島ゆり子、
ケン・サンダース、荒木一郎、近藤正臣、宮園純子など。
今日からみれば結構豪華な面々が揃っている。
冒頭からチンピラ感満載。
京都駅の表で松方弘樹が叫ぶ。
「金閣寺方面、どないだ」
要は白タクである。
ま、このようにひたすらセコイエピソードが積み重なっていく。
でも何となくおかしい。というか人間味がある。
割と好きなんだな、この映画。
久々に観てもやっぱりセコイなと思うけど(笑)
松方弘樹が主人公なのだが
カタルシスを感じるのは天知茂の方。
娑婆に戻ってきた天知茂が
高松英郎に組に入るよう誘われるのだが
「天皇たら親分たらは嫌いなんや」と名セリフ。
もっとも「天皇たら」の音は消されるのだが。
で、結局天知茂は松方弘樹らのチンピラとは別れ、
変貌する組織に抗いやられていく滅びの美学をかましてくれる。
そのカッコよさは今日の俳優ではなかなか出せないだろう。
一方、セコさが武器のチンピラ連中も
男気というかやくざへの反発心がやっと芽生え
「やったろうやないけ」と金を奪うが――。
まあ、やっぱり成功はしない。
死ななんだだけマシであるが。
そしてラストに松方弘樹が伝説の名セリフ。
「ネチョネチョ生きとるこっちゃ」
結局、人生この姿勢が一番大事な気がする。