1965年公開の東宝映画。
ある意味ロクな人間が出てこない。
戦後日本の権力構造というか政財界の闇を正面から扱った作品。
原作は1962~1963年と約2年にわたり
週刊新潮に連載された同名タイトルの長編小説。
監督は須川栄三、出演は池内淳子、池部良、小林桂樹など。
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あらすじ
良妻賢母のイメージが強い池内淳子さんが汚れ役。
これだけでなかなかのインパクト。
旅館の仲居として細々と働いているのだが、ある日客で来た池部良の誘いにのる。
「別の人生を歩いてみないか」
誰でも歩きたいわい。
寝たきりの夫を失火に見せかけて焼死させ
池部良に紹介された政界の黒幕・小沢栄太郎の愛人に。
「けものみち」のスタートだ。
しかしそんな彼女を疑う刑事の小林桂樹。
後の2時間サスペンスで見せる好々爺らしさは微塵もない。
事件の真相に近づいて池内淳子に関係を迫る。
アンタもワルかい。
ま、藪をつついて蛇を出すというのは全く正しく。知りすぎた小林桂樹は命を落とす。
しかし、池内淳子の身にも破滅の足音は近づいていた――という話。
感想
池内淳子、池部良、小林桂樹、小沢栄太郎、伊藤雄之助。
主要人物はどいつもこいつも悪人だ。しかも個性的なキャラクター。
2時間半の映画なのだが、長さを感じさせない。
つまり作りがうまくいってる証拠。風呂の中で焼かれるラストと池部良の笑いは強烈。
テレビドラマには3回なっている。
1982年NHKで全3回、1991年火サス、2006年テレ朝で連ドラ。
NHK版は名取裕子、山崎努コンビ。
「禿山の一夜」がインパクト大。一般的にはこれが有名かも。
こちらは風呂で焼かれず、ラスト2人で逃げようとして車に取り囲まれる。
こっちのラストも割と好き。
火サスは観てないけど、十朱幸代、草刈正雄などが出演。
出演者もさることながら中島丈博脚本、深町幸男演出ってとこに興味が沸く。
数回映像化された作品の中には、当たり外れが大きいものもあるが
「けものみち」の場合はそれぞれわりとマシな方ではないかいな。