東芝日曜劇場・山田太一脚本「縁結び」を観る

1974年6月2日放送。
出演は佐野浅夫、和泉雅子、渡辺美佐子、松山省二など。

あらすじ

くず餅屋の福住で30年働いているベテラン職人の正二郎(佐野浅夫)。
娘の百合江(和泉雅子)と二人暮らしだが、正二郎が突然店を休む。
百合江が代わりに店で働き、帰ってきた正二郎を問い詰めるが理由は不明。
百合江は一人で店に謝りに行くが、そこで主人とおかみから縁談の話が。
百合江は自分のことかと早合点するが、正二郎にだというのだ。

正二郎は仕方なく見合い相手のテツ(渡辺美佐子)と会うが
本当はテツも再婚する気はなく、話はなかったことになる。
百合江とテツの息子・克己(松山省二)にはそれぞれ好きな相手がいて
そのためにも正二郎とテツには一緒になってほしい気持ちがあった――という話。

感想

嫁入り前の娘が菓子職人の父親の見合い話を進めようとする話。
「THIS IS 東芝日曜劇場」ていう感じの内容。
松竹出身の山田太一らしく小津安二郎的な感じもする。
さしづめ「彼岸花」山田太一版といったとこか。

なんやかんやいうてもうまい。
セリフとか構成力とかさすがとしか言いようがない。
ありきたりなように見えてありきたりではない。
タイトルの「縁結び」というのも絶妙で、
結婚という名の縁を結んだのはそれぞれの子供。
これから結ぶかもしれないけど、心の縁を結んだのは
見合いしたそれぞれの親。
若者のラブストーリーで言う「なんだか急に会いたくなって」と
佐野浅夫と渡辺美佐子の「なんだか急に会いたくなって」はかなり違う。
こういう何気ないセリフが沁みてくる。
ドラマというのはいかに見せ方が大切か、
ということをあらためて教えてくれた作品。

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