1970年初出の千草検事シリーズ第3弾。1982年に火曜サスペンス劇場、1986年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。火サスは北大路欣也、土ワイは片岡孝夫が主演。あらすじ事務官の家に寄りほろ酔い気分で帰っていた千草検事。ところが、その酔いを吹き飛ばす事件に遭遇することに。中堅製菓メーカー社長の一人娘が誘拐されたのだ。お手伝いが慌てて家を飛び出してきたところに出会った千草検事は直ちに警察に連絡を取る。
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1972年出版の時代小説。それまで映画などで描かれてきた定番の清水次郎長が善、黒駒の勝蔵が悪という評価を初めて覆した画期的な作品として知られる。あらすじ上黒駒村の名主の次男・勝蔵。吃安こと竹居の安五郎の賭場で博奕三昧の日々。ぐれた生活を送っていた勝蔵は、自分のせいで姉の結婚が破談になったことを知る。戸倉の旦那に援助するからこの際自分の一課を構えてみたらどうかと打診された勝蔵は家を出ることを決意する
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1964年出版の初長編。東京の下町工場を舞台に、耳の聞こえない青年の「声なき叫び」を描いた今なお今日性を持つ社会派ミステリの傑作。1965年に「この声なき叫び」のタイトルで松竹が映画化、主演は田村正和だった。1982年には火曜サスペンス劇場で「影なき殺意」のタイトルでドラマ化。泉ピン子、国広富之らが出演。2001年には「女と愛とミステリー」枠でドラマ化。かたせ梨乃、高橋かおり、河相我聞らが出演。あ
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1970年出版の短編集。表題作のほか、「乾いた女」「歪んだ娘」「夜が崩れた」「熱い死角」「殺意の背景」「ヤクザな妹」の計7編を収録。「死んだ夜明けに」はオール読物1967年7月号掲載。ぐれてる頃の仲間で今は三者三様の生き方をしている3人組。疎遠になる者もいれば腐れ縁あり、まじめになる者もいれば変わらない者ありといった具合。ところが、仲間の一人・佐度井が絞殺死体で発見される。事情を知りたがる石津と特
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1998年出版の取調室シリーズ第4弾。1999年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。いかりや長介VS浅野温子の組み合わせが話題を呼んだ。あらすじ佐賀県多久市の山中で発見された男性の絞殺死体。被害者は横浜在住の画家・井坂俊介。しかし、井坂は画家とは名ばかりで実情は妻・レイのヒモ同然の存在だった。死亡時刻の2日前まで井坂夫婦は写生旅行をしていたため、レイに嫌疑がかかるが、死亡時刻には鉄壁のアリバイが
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1981年出版のノンシリーズ。タイトル通り原子力船が姿を消すという、スケールの大きなサスペンス。あらすじ原子力船むつ開発事業団の秘書室長・藤木。反対派が押し寄せる佐世保の地で、友人の一等航海士・浅井が乗り込む原子力船むつの出港を見送りホッとする。ところが、順調に航海中だったはずの「むつ」が新潟沖からの無線を最後に消息を絶ってしまう。やがて、尖閣湾沖で大量の魚の死骸が発見される。ひょっとすると海が放
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1980年のデビュー作。自費出版だった。いわゆる「信濃のコロンボ」シリーズ第1弾。1982年に土曜ワイド劇場、2001年にテレ東、2013年にTBSでテレビドラマ化されている。あらすじ信州飯田のダムで発見されたバラバラ死体。事件は親族の借金にまつわるトラブルによるものとして甥夫婦を全国指名手配するがその二人が心中した状態で発見。遺体から睡眠薬が検出されたものの、それ以外は不自然な点はなく捜査は終了
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1983年出版の短編集。表題作のほか、「夜の殺人者」「カードの城」「刑事」「手を拍く猿」「幻想の夏」「南神威島」「鳩」の計8編を収録。「夜の殺人者」は十津川警部&亀井刑事コンビ。女にひっかけられ罠に落ちた男を助ける話。「カードの城」は田口刑事。田島じゃないのね。タイトルが味わい深い作品で、初期の雰囲気がよく出てる。トルコで働く女性が殺され、容疑者らしき男が浮上。しかし、その男は周囲から先生と呼ばれ
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1982年出版の短編集。表題作のほか、「海辺の悲劇」「三億円の悪夢」「知らない町で」「危険な伴侶」「超速球150キロの殺人」「白いスキャンダル」「戦慄のライフル」「白い罠」の計10編を収録。「海辺の悲劇」は独特な映画の香り漂う作品。「おもいでの夏」的な話をミステリーにしたみたいな。「三億円の悪夢」は巻き込まれ型サスペンス。ま、うまい話には気をつけろということ。「知らない町で」は前にも読んだような。
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1967年出版の「21世紀の日本」応募作。総理府が当時募集したもので一等に入選した作品。あらすじエジプトで進められている砂漠改良プロジェクト。技師として参加している沢木は、太陽熱を利用した発電所計画に地球の未来を期待。ところが、砂漠で事故に遭い九死に一生を得る。その日から、沢木の悩みが始まった。自分が考えた未来、合理主義的な考え方は正しいのか。一方、伝統芸能でありながら観光客向けにしか人気のない能
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