鮎川哲也(鬼貫警部シリーズ)「憎悪の化石」を読む

第13回日本探偵作家クラブ賞受賞作。1997年に火曜サスペンス劇場でドラマ化。あらすじ熱海の旅館で一人の男が殺された。被害者は脅喝で飯を食っていた男。捜査陣は容疑者を絞り込んでいくがそれらの人物には全てアリバイが成立。捜査は行き詰まり解決への希望は警視庁の鬼貫警部に委ねられた。1ダースの容疑者を相手に鬼貫は真犯人を突き止められるのか?――という話。 感想1959年刊行の作品。この時のクラブ賞候補は
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山村美紗「エジプト女王の棺」を読む

1980年の作品。エジプトと京都を舞台にしたミステリ。1999年にTBSでテレビドラマ化。主演はかたせ梨乃。だけどキャサリンシリーズではない。渡瀬恒彦、河相我聞、高樹澪、西岡徳馬などが出演。当然、紅葉も付いている。あらすじエジプトのカイロで外交官が謎の事故死。そして京都美術館で開催中のエジプト展で遺宝を盗もうとした男が謎の薬物中毒死。しかし真相はわからず迷宮入り。2年後、死んだ外交官の娘が勤める中
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直木賞受賞作・生島治郎「追い詰める」を読む

1967年の小説で第57回直木賞受賞作。作者は大藪春彦達と共に日本のハードボイルドの礎を築いた生島治郎。あらすじ暴力団幹部を追跡中に同僚刑事を誤射し警察を辞めることになった志田司郎。きっかけになったのは海運会社重役の義父が暴力団に脅されたことだったが、義父は非情にも志田に妻と娘と別れるよう勧める。しかし刑事を辞めても志田の浜内組追求は止まらなかった。孤独に耐えながら暴力団壊滅に向けて一歩ずつ歩んで
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大藪春彦「野獣都市」を読む

1964年初出の作品。1970年には東宝で黒沢年男主演で映画化されてる。 あらすじ銃の修理や自動車セールスで生計を立てている大学院生・有馬靖浩。ボクシングで鍛え抜かれた身体は有閑マダムに大受け。猟友である会社社長・石浜からある依頼をされたことが有馬の人生を大きく狂わせた。麻薬組織から大量のヘロインを強奪し暴力団の縄張りに割り込み危険を冒す。不正を働く企業家からは大金をかすめ取り胸に秘めた野望を爆発
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西村寿行初期の名作「安楽死」を読む

1973年初出の作品。1979年の連続ドラマ「愛と死の絶唱」の原作らしいのだが観る機会がないのでさっぱりわからない。主演が大原麗子、田村正和っていいじゃねーか。さらに金田賢一(新人!)、佐藤友美、岡田英次、森下愛子、中尾彬などって。再放送してくれや。あらすじ妻に浮気され離婚し鬱屈した気持ちで日々を過ごしていた警視庁の異色敏腕刑事、鳴海は密告電話の事件を引き受ける。静岡の石廓崎で起きた女性ダイバーの
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天使シリーズ3・三好徹「汚れた天使」を読む

1978年の文庫版。内容は1968年発表の表題作「汚れた天使」を始め「虚ろな天使」「いかさま天使」「罪ある天使」「悲しき天使」「幻の天使」「天使の馬」の計7編。あらすじ(汚れた天使)「私」はある中央紙の横浜支局詰の新聞記者。上司と折り合いが悪いせいか、能力はかわれど出世できず。ある日、同僚の若い記者が娼婦に入れあげているというので支局長から頼まれ話を聞きに来た。プライベートにとやかく言うのは好きで
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映画原作・湯本香樹実「岸辺の旅」を読む

2010年初出の小説。深津絵里×浅野忠信×黒沢清で映画化。あらすじ3年間失踪していた夫・優介が突然帰ってきた。しかし本人は海の底で蟹に食われたと語る。この間どうしていたか話してくれと語る優介にとまどいながら瑞希は優介と共に死後の軌跡を遡る旅に出る――という話。 感想何とも不思議な話である。幽霊と会話しているわけだがなぜか不自然さを感じない。ちょっとでも引かれたらたちまち読む気が失せそうなところをう
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内田康夫短編集「死線上のアリア」を読む

電車に乗っている間はヘビメタを聞きながら読書。昨日今日で内田康夫「死線上のアリア」を読んだ。あらすじと感想内田康夫さんといえば浅見光彦シリーズ。いろんな役者さんが演じているが、やっぱり最初の火曜サスペンス劇場でやった水谷豊が一番じゃないかなあ。まだ今の相棒みたいな感じでは全然ない時代。刑事貴族の頃かな。好評だったんだけど突如終了。理由は確かエナメル靴を履くのがイメージと違うという話だった気がする。
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岬シリーズ1・笹沢左保「他殺岬」を読む

笹沢左保といえば中村敦夫主演で大ヒットした「木枯し紋次郎」が有名だが、その他にもたくさんの作品を生み出している。江戸川乱歩賞最終選考に残った「招かれざる客」でデビューし、「突然の明日」などムーディな感じの本格ミステリを次々と発表。土曜ワイド劇場で映像化されたタクシードライバー夜明日出夫の生みの親でもある。そういえば昔住宅地図の仕事をやっていた時にどこだったか忘れたが「夜明」って表札見た覚えがある。
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西村寿行「霖雨の時計台」を読む

西村寿行「霖雨の時計台」。1983年の作品。あらすじと感想当時「火曜サスペンス劇場」で田中邦衛主演でテレビドラマ化された。再放送で観て印象に残っていたので覚えている。このブログを書くまでずっと「きりさめの時計台」と思っていた。勘違い。正しくは「りんう」である。ちなみに、霖雨とは何日も降り続く雨、ながあめということである。内容は死刑執行まで5日と迫った男の無実を信じ、単独でそれを証明しようとする刑事
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