西村京太郎86「特急『白鳥』十四時間」を読む

1984年出版の作品。
1985年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。
当時としては珍しい2時間を超えるスペシャル版だった。

あらすじ

第一線のベテラン刑事が集う会議に出席するため、大阪に来た亀井刑事。
家族に土産を買って帰ろうと心斎橋を歩いていたら突如襲われる。

身に覚えのない亀井がその男を問い詰めたところ、
何者かに1000万円の懸賞金をかけられていることが判明。

しかもあちこちの店に張り紙が。
犯人の目的は亀井への怨恨か、警察への挑戦か。

亀井は周囲の反対を振り切り、自らが囮になることを決意。
大阪―青森間を結ぶ特急「白鳥」に乗り込むのだが――という話。


感想

大阪―青森間を14時間で走っていた特急「白鳥」が舞台のトラベルミステリ。
冒頭でチンピラに襲われるのだが、映像化では西本刑事と一緒だが原作は一人。

その他、人間関係をちょこちょこ省略。
婦警が列車内で殺されるのは一緒。

映像化では清水と西本が最初から乗っているが原作は柏崎から。
逆に十津川警部は原作では日下刑事と最初から乗っているのに映像化では新潟。

後半というか最後の方なんて全然違う。
竜飛岬で告白なんてアホなシーンは原作にはない。

原作はなかなかサスペンスフル。終わり方も悪くない。
また、本多捜査一課長も活躍している貴重な作品。

ゲスト出演は中野良子、平幹二朗、鈴木瑞穂など。
電車の中でのサスペンスはそう悪くはないんだけど。

紅葉大先生はこの頃が一番キレイかも。
メンバーもこの頃が一番バランスいいかもねえ。

しかしまあ、映像化作品の感想でいえば
こんなイカレた女に狙われたらたまったもんじゃない。
こんな犯人に何の共感もしようがない。
夫の方がよほど正常というもの。

原作は捜査の過程でまたまたコーネル・ウールリッチの「喪服のランデヴー」の話が。
よっぽど好きなのね。

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