1980年出版の作品。映像化はまだなし。
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あらすじ
久々の休日に家族と銀座に出た亀井刑事。
ところが突然のモンシロチョウの大量発生におかしいと感じた亀井は出所をさぐる。
そこには微笑したまま動かない青年の姿があった。予告自殺なのだろうか。
続いてマンモス団地の一角で、ゴム風船が次々と上がっていく奇妙な出来事が。
するとそこには若い女性の死体があった。これまた予告自殺なのだろうか。
捜査にあたる十津川警部と亀井刑事だが、驚いたことに2人の身元がさっぱりわからない。
そしてまた、奇妙な連続予告自殺事件が次々と起こる。
次々に信者の青年たちを自殺させる狂信的集団「地の塩」。
指導者である野見山は何を企んでいるのか。
捜査が進むにつれ、十津川たちは奇妙な符号を発見するが――という話。
感想
初期の社会派作品群を彷彿とさせる一冊。
狂気の指導者野見山は語る。
「絶対的な信仰ということは、全てを捨てろということですからね」
絶対の服従を求めている、それが宗教の本質ともいう。
言いえて妙であるし、詭弁だともいえる。
まあこのテの題材は慎重さを要求されるけど、
いまだに通用する内容だしむしろ今読んだほうがいいかもねえ。
だいたいいつも思うのだが、宗教というものが
人の心を豊かにし社会をよくするものであるなら
なんで宗教戦争なんてものは起きるのだろうか。
また、財政がひっ迫しているのだから
税金払いますなんて宗教法人は出てこんのか日本では。
(フランスかどっかでそんな話はあった気がする)
その一点だけでもバカバカしくて宗教なんか信じる気ないけどね。
しかしまあ……人間の心は弱いものなので。
そこにつけこむ奴が一番悪い、何の世界でも。