1976年出版の作品。
1982年に角川映画・主演渡瀬恒彦で映画化。見事にコケた。
しばたはつみの主題歌「化石の荒野」は名曲。
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警視庁の刑事である仁科草介はある日、2人の男に連れ去られる。
気が付くと目の前には死体、使用されたのは自分の拳銃。
殺人刑事の汚名を着せられ逃亡する仁科。
誰が何の目的で俺を罠に陥れたのか。
そんな仁科にCIAが接触し、5万ドルの報酬で奇妙な仕事を依頼。
それは全国の山岳地帯で「ある何か」を探索するFBI帰りのリーダーを
頂点とするグループの尾行だった。
しかもそのグループのバックにいるのは首相を狙う政界の大物が。
組織に見張られながらもグループを尾行する仁科。
自衛隊の特殊部隊も暗躍し、命の危険を潜り抜けていく。
友人の新聞記者の協力も得ながら仁科は3つの組織が狙うものの正体を掴んでいくが、
友人は殺害され仁科の怒りの炎は燃え上がっていく。
やがて仁科は自分の数奇な運命と今回の事件の関わりを知ることになる。
死力を尽くして仁科が最後に得たものとは――という話。
感想
「冒険心――それはぼくをうっとりさせてくれる唯一のものである」とあとがきで述べる著者。
その言葉通り独特の世界が炸裂している一冊。
この本が出たころ、時代を席巻していたのはいわゆる「三村」の面々。
森村誠一、半村良、西村寿行である。
西村京太郎がトラベルミステリーで一世を風靡するのは約2年後のことで
「三村時代」には数えられていなかった。
こんなこと書いてええんかいなと思えるぐらい強烈な作品。
しかし、映画化は不発。西村寿行作品と映画は合わないというのは定説だったが
それを実証してしまうという不幸な作品となった。そんなに悪くないと思うんだけど。
まあ原作の世界観が全開かというと背景の部分とかがかなり物足りんのかもね。