伝説のバイオレンス小説・西村寿行「炎の大地」を読む

1979年初出の作品。
ブラジルを舞台に数奇な運命に翻弄される
兄弟と姉を中心に展開されるバイオレンス長編。

あらすじ

ブラジル奥地の開拓農園が匪賊(ガリンペーロ)に襲われた。

主である根岸夫妻は虐殺され、姉は凌辱され行方不明、
買い物に出ていた幼い兄弟だけが生き残った。

匪賊と日本の過激派が手を組んだとの情報を受け
日本の警察庁から派遣された浅脇警視正は過去の因縁もあり襲撃者を追い続ける。

5年の時が流れ、根岸兄弟は成長し
匪賊への復讐を誓うが歪んだ育ちの影響が彼らの決意を鈍らせる。

ある日、兄弟は姉と再会した。
姉は売春婦となり宿まで経営していた。
彼女はがんに侵され、残り少ない命。

せめて両親の墓参りがしたいという
姉の願いをかなえようと車を買い墓地に向かうが
匪賊の存在が彼らの願いを打ち砕く。

生き残った弟、そして浅脇の怒りが炸裂する――という話。

感想

まあえげつないといえばえげつない。
絶対こんなとこ行きたくない。
日本は平和だ。とあらためて思わせてくれる一冊。

兄弟が銃の練習して復讐に行く話かいなと
思っていたのだがある意味最初から最後まで
悲惨なままで、活躍するのは浅脇や警察関係。

ま、それが自然と言えば自然だ。

最後の戦闘シーンなんてもはや戦争映画。
なんせ警察署がボコボコに破壊される。
ここの署長が結構おもろい。なかなか男気がある。

まあ価値観が吹っ飛ぶ作品。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る