1983年初出の作品。
1984年に土曜ワイド劇場でドラマ化。
三橋達也の体調不良により、天知茂の十津川警部という珍しい作品となった。
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あらすじ
8月8日に仙台に帰省するため、
大宮からの東北新幹線グリーン車指定席を買っていたOLが東京で殺害された。
どういうわけか指定券だけ盗まれている。
グリーン車指定券一枚のために人殺しを行う人間がいるのか?
被害者が夕食に間に合う時間に帰る予定だったことから
十津川、亀井コンビは大宮から「やまびこ17号」に乗り込む。
すると若い男が毒殺され、
さらにそれを報告した男が非常ブレーキを引いて逃走した。
後に男は死体で発見され、自殺と断定。
事件解決の記者会見を開く十津川だが
胸の内では次なる大きな事件の幕開けの様な気がしてならなかった。
気になる十津川は新幹線で毒殺された被害者の身元を洗う。
やがて投資家グループ「三十二の会」の存在が。
リーダーはクラブシャルムのママ、二宮由美。
捜査を進める十津川だが上層部の反応は鈍い。
すると8月20日、900人近い乗客を乗せた
「やまびこ50号」に爆弾が仕掛けられたとの情報が。
乗客の身代金は1億2600万円。
乗客の中には政界の裏側に通じる人物も。
白石蔵王駅付近で緊急停車した新幹線を巡り
十津川警部達と犯人グループの知恵比べが始まる。
果たして犯人の目的は何か?
そして十津川達は真実に迫れるのか――という話。
感想
トラベルミステリー全盛期の作品だけあって
列車を巡り二転三転する構成が素晴らしい。
最後の最後まで目が離せなく一気に読んだ。
やはりミステリーってのはこうでないと。
映像化された際は被害者が帰る日付はなぜだか8月4日。
会の名前も「二の会」になっている。
天知茂の十津川警部見てみたい。
ゲストは大空真弓、今や国会議員三原じゅん子、
三ツ木清隆、藤田弓子、加藤嘉、田中明夫、西岡徳馬などそれなりに豪華。
もちろん森本レオ、山村紅葉もいる。
鉄道にポイントを置いたトラベルミステリの代表作。
追記
土曜ワイド劇場映像化作品を鑑賞。
爆弾がらみの話は全くない(笑)
ま、そりゃねえ、新幹線だものしゃあないわねえ。
大宮発ってとこに時代を感じますな。
明智じゃなかった天知さんは相変わらず眉間にしわは欠かせない(笑)
明智小五郎美女シリーズというよりは
非情のライセンスの会田刑事の方かな。
ま、初期の十津川なんて結構冷酷さもあったから
これはこれでちょうどいいんじゃないかなあ。
最初に新幹線に乗るのは
原作だと十津川・亀井だが、ドラマは十津川・西本。
愛川亀井はお留守番(笑)
森本レオがこの作品からだからフィーチャーしたかったのかね。
緊迫感は原作の方があるけど
犯人の哀しみの部分はドラマの方があるかなあ。
どう考えても大空真弓より三原じゅん子を選ぶだろうと思うのだが。
ま、両方比べてみるのも一興。