西村京太郎239「東京・山形殺人ルート」を読む

初出は「小説現代」95年8月号~10月号。
2002年1月5日に土曜ワイド劇場で映像化。
正月早々バラバラ死体の話かいという感じなのだが。

あらすじ

荒川の河原でバラバラ死体が発見される。
被害者は中年の女性ということしかわからない。

身元を確認する手段は胃の中に残されたサクランボの茎だけ。

手掛かりが少ないため、捜査は難航。

やがて十津川警部は数か月前に
神奈川で起きたバラバラ殺人事件との共通性を突き止める。

犯人と思われる人物を追跡するが、
圧力がかかり捜査はますます困難に。

右往左往するするうちに、やがて次のターゲットと
思われる中年女性をマークするが見事空振り。

しかし、ターゲットは別にいた!

果たして十津川警部は異常な連続殺人を
食い止めることができるのか?――という話。


感想

十津川警部が亀井刑事に怒鳴るという珍しい場面がある作品。

映像化になった時どうだったかは知らんが。

あらすじを読む限り原作では神奈川で起きた
バラバラ殺人事件との共通性を突き止めるのだが
ドラマでは山形で起きた違う殺人との関連性になっている。

そんなことしたら興味が薄れるだろうがと思うのだが
90分そこそこで事件を解決しようとすりゃまあしょうがない。

サクランボの茎がなんで胃の中から発見されたのかといえば
今でもやってるのかねえ茎を口の中で丸めるやつ。

あれ上手にできるのって下ネタの話になってくのだが。

被害者を水商売の女に絞るのはいいとして
温泉地に絞るのは正直無理があるような気はせんでもない。

いまどき温泉地にそんな魅力的というか
向上心のある人おらんぞ。それも決め付けかも知れんが。

謎が謎を呼び誰が犯人かわからなくするのもミステリーだが
犯人と思しき人物を早めに確定させ丁々発止の
勝負をさせるのもまたミステリーの面白さ。

本作は後者の方で後半のターゲットを見つける際の
トリックというか攻防はなかなかのもの。

その過程で珍しく十津川が亀井を怒鳴るシーンがある。

ネクロフィリアって実際におるもんねえ。
アマゾンのレビューはボロクソだがそこそこ面白い作品。

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