西村京太郎28「消えた乗組員」を読む

1976年初出の消えたシリーズの1冊。
ていうか海洋ミステリーの1冊。
1980年に土曜ワイド劇場でドラマ化。
この時は三橋十津川は変わらないが亀井刑事がなんとコワモテの綿引洪さん。

あらすじ

魔の海と恐れられる小笠原沖で
遭難を伝えられた大型クルーザーが発見された。

乗っていたのは海洋研究家始め9名。
しかし、発見者5人が乗り込んだ時、船内は無人で誰もいない。

1872年に起きたイギリスの帆船
マリー・セレスト号の事件と類似していたため、
現代のマリー・セレスト号として話題沸騰。

真相はどこにあるのか、海難審判庁の日高理事官は推理する。

そんな中、発見者5人のうち2人が
相次いで死体となって発見され、やがて3人目の犠牲者が。

捜査に乗り出した十津川警部は
日高理事官と共同し事件の真相を突き止める――という話。


感想

初期の十津川警部は海洋ミステリーが多い。
そのためヨット部出身という設定になっている。

割と部下の言葉を完全否定したり
血気盛んなところがこの時代の魅力。

決してテレビシリーズのように落ち着いてはいない。

海難審査の様子を描いている所が珍しく
人によってはいらないという人もいるだろうが
これはこれで新鮮味を感じる。

マリー・セレスト号の事件についても
著者の意見が入っている所もあって「そうかもねえ」と思わせてくれる。

映像化された時は樋口可南子、平田昭彦、
戸浦六宏、江波杏子らが出演。観たい。

謎解きという点では「赤い帆船」の方が面白いが
一度は読んでおきたい作品。

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