大藪春彦「狼は暁を駆ける」を読む

1972年初出の作品。

ハイウェイ・ハンターシリーズ第3弾。

あらすじ

警察庁の秘密捜査官・西城秀夫。

今回の舞台は九州。

血で血を洗う抗争を繰り広げている暴力団の壊滅を目的に

単身乗り込んで大暴れ。

頭脳明晰、抜群の判断力と運動能力、銃と車の腕前で

別府→博多→長崎と行く先々で熾烈な戦いを繰り広げていく。

西城が最後に辿り着いたものとは?--という話。

 

感想

大藪春彦から銃と車を取ったら何もない――

なんてアホなことを言う評論家もいるようだが

裏を返せばその2つの分野におけるリアリティは

他の追随を許さないということである。

またアクション場面の描写がうまい。

臨場感豊かで映像が頭の中に広がってくる。

 

著者の描く主人公は常にタフで鍛え抜かれた存在。

酒豪で精力絶倫、語学に長け変装の名人。

一見簡単そうに見えるこういったキャラクターを

小説の中で魅力的に描くのは実はとても難しい。

一気に読ませてくれる疾走感と

読み終わった後のカタルシス。

こういう作品を世に送り出せるもの書きでありたい。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る