西村京太郎70「雷鳥九号殺人事件」を読む

1983年初出の短編集。
1987年に「雷鳥九号殺人事件」が
土曜ワイド劇場で「L特急『雷鳥九号』殺人事件」としてテレビドラマ化。

「雷鳥九号殺人事件」「幻の特急を見た」
「急行『だいせん』殺人事件」「殺人は食堂車で」
「夜行列車『日本海』の謎」の5編。

あらすじ(雷鳥九号殺人事件)

雷鳥九号の車内で貴金属商が射殺。
凶器の拳銃が発見され容疑者らしき女性もすぐに確保。
簡単な事件に見えたが金沢で起きた事件がからむことで事件は意外な急展開を見せ始める。

鑑定の結果、なんと事件は同時刻に同一拳銃で行われたことがわかったのだ。

事件を追う十津川警部はこの壁をどう崩すのか――という話。


感想

「雷鳥九号殺人事件」は短編(中編かな)にもったいないぐらいのネタ。
といってもこれ以上長く引き伸ばされてもどうかとは思うが。

なんせ同一時刻に同一拳銃で殺人が起こるなんてそんなバカなはずはないわけで。

ふと思ったが十津川シリーズってあまり法廷ものないよねえ。
これなんかはそっちに展開した方が長編にもなって面白いかも。

映像化された際のゲストは真野あずさ、水原ゆう紀、戸浦六宏、早川保etc。

真野さんなんてこの頃は火サスで高林鮎子シリーズやってるはずなんだけど、こんな形でよそにも出てたのね。
同一時刻という設定はなく同一拳銃という部分のみがポイント。
このあたりに関してはドラマの方がわかりやすいような。
あと北陸線のトリックは見事。
ドラマの出だしは巻き込まれるの得意な森本レオが活躍。
途中からは愛川亀井の独壇場。
なんせ相手が「九頭竜湖にいる」といえば本当におる。
アンタはエスパーか(笑)
とうとう何が理由かわからんが相手の心も変えてしまうエスパー亀井にご注目。

「幻の特急を見た」はタイトルが示す通り容疑者が見たとする列車を十津川が探す話。

それが証明できればアリバイが成立するわけ。
容疑者を連れてその列車を探すのだがちっとも見つからない。
こいつ嘘ついてるんじゃないか、と疑いながらも列車を探す十津川警部の姿がなんとなく新鮮。

「急行『だいせん』殺人事件」は十津川ものではなく島根県警の秋元警部補が事件を解決する話。

「殺人は食堂車で」は人気俳優のマネージャーが新幹線の食堂車で毒殺される。

犯人は誰か? 十津川警部の推理が冴える。

食堂車ねえ・・・そういや自分達の小さいころは
新幹線乗って食堂車でメシ食ってみたいってのが1つの夢でしたな。

隔世の感があるわな。

なんだかんだいって当時はみんな貧乏だったのだ。

マンション住んでる奴とかビデオデッキ持ってる奴は金持ちという認識だったもんな。

今じゃ生活保護者でも携帯持ってDVD観てるわな。

変なの。

閑話休題。

「夜行列車『日本海』の謎」は十津川警部の妻、直子が元夫殺害の容疑者にされるという珍しい話。

いつにもまして張りきる十津川警部。そりゃそうだ。
短編集ってあまり好んで読んでこなかったがいろんな作品を楽しめるってとこはいい。

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