1963年刊行の第16回日本推理作家協会賞受賞作。
1980年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。
主演は江守徹、丘みつ子、黒沢年男、小池朝雄などが出演。観たい。
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あらすじ
東京地検の検事・千草泰輔は義理のある先輩検事の長男が
出展している書道展を渋々見にデパートへ行った。
ところが、そこで殺人事件に遭遇。
被害者は光陽学園校長・城崎。理事も兼務し、やり手と評判。
その城崎が最期に遺したのは「あの女が・・・いた・・・」という奇妙な言葉。
言葉と落ちていた名刺しか手がかりはないが、
千草は大川警部や野本刑事と疑わしい人物を調べていく。
被害者の過去に着目した千草はある一人に目を付けるが
鉄壁のアリバイが立ちはだかっていた――という話。
感想
記念すべき千草警部シリーズ第1弾にして受賞作。
結城昌治さんの『ゴメスの名はゴメス』がライバルだったのね。
あれも面白かったなあ。もう一度読みたい。
で、本作の話だが一つ謎を解いてまた新たな壁がって構成が醍醐味。
やっぱりこういう話を書いてみたい。
でも本格ミステリって読むのは好きだけど、トリック考えるの苦手。
ドラマ化が一度なのは結構以外。
戦災孤児とかの話が出てくるとこが難しいのかな。
被害者の過去を手繰っていくところとか本当に素晴らしい。
文章が上手いんだよなあ。
ドラマはなかなか観る機会はなさそうだけど、比べてみたい一作。