1982年刊行の長編時代小説。
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あらすじ
肥前に生まれ、7歳の時に人買いに売られ大工の修業を積んだ文吉。
横浜港建設現場で働いた際、宣教師兼医師として来日していたヘボンから
学問を教わった文吉は、アメリカで奴隷解放運動が起きていることを知る。
親方をどつきまわして金を奪って江戸を出た文吉は、
追分の宿で飯盛女としてこき使われているふじを抱いた。
そこで、ふじと同じく幼い頃に買われたかねの死をきっかけに
文吉の怒りが爆発する。
地元の代官や幕府を相手に不屈の闘志で戦いを挑む文吉。
幾たびの危機に遭いながらも生き永らえた文吉とふじに、
幕末の変革の波は一地方の山の中にまで及び、そして――という話。
感想
これは凄い。ホントにすごい。
読み始めた時はもっと限定した話かと思ったけれど、
壮大な大河ドラマというかロマンがあるというか。
きれいごとな歴史じゃなくてこういうの大河ドラマにすりゃいいのにねえ。
今日では当たり前のルールが作られるのにどれだけ多くの血が流されたことか。
人間てのは生きる時代を選べないけど、
ベストを尽くすのはいつの時代でも変わりはしない。
置かれた条件の中でどう生きるか。
時代を超えて語り継がれていい名作だと思うなあ。