ドラマ原作・笹沢左保「真夜中の詩人」を読む

1972年出版の長編ミステリ。
1982年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。
出演はいしだあゆみ、山口崇、山口いづみ、北村和夫など。
タイトルは『誘拐の報酬』。観たいなあ。

あらすじ

平凡なサラリーマン・浜尾洋一郎の妻・真紀。
一人息子の純一を産んで幸せに暮らしていた。

妹・由美は全国的規模の老舗デパート・江戸幸の社員。
ある日、その江戸幸の孫、和彦が誘拐され大騒ぎに。

しかし、犯人側からは何の要求もなく時間だけが過ぎていく。
妹が勤めている会社の大騒ぎに他人事とは思えない真紀だが、
半月後、今度は自分の息子・純一が誘拐されてしまう。

二人とも一歳になったばかりの子ども。
そして犯人側から何の要求もないところに共通点が。

同一犯人の仕業なのか。
真紀は和彦の母親・麻知子と連絡を取り手がかりを得ようとする。

ところが、真紀の母親・澄江が不可解な轢き逃げで命を落とす。
さらに連続殺人事件が起きて、真紀は真相を究明しようとするが――という話。


感想

長いっちゃ長いが、引っ張り方はさすがに上手い。
いわゆる誘拐ミステリなわけだが、サスペンスロマンの名手らしい作品。

一つ手がかりを掴んでは暗礁に乗り上げという
ミステリの醍醐味が味わえるのだが、意外とこういうのは難しい。

ま、結末にはそう意外性はないのだが仕掛けは周到な感じ。
でも結局母親を殺害したのはいったい誰やねんという話なのだが。
見当はつくけど。

意外と2時間サスペンスの方がすっきりできるかもしれんねえ。
真紀がいしだあゆみで洋一郎が山口崇、由美が山口いづみなのかな。

なんか想像つくわあ(笑)

これが赤旗日曜版に連載されていたというのが驚き。
著者が一番驀進中の頃だもんねえ。
共産党にもそういう時代があったのね。

大きく分けて推理小説と時代小説の2つを精力的に書き続けた著者。
特に誘拐ミステリをこんだけ何作も書いている人は珍しいのでは。

でも絶えず新味を求めて書き続けたのは凄い。
そういうもの書きにならんとなあ、とあらためて思わせてくれた一冊。

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