1976年出版の長編ミステリ。
ロッキード事件と金大中事件という
今なおベールに包まれている二大事件を取り上げたもの。
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あらすじ
気鋭の大学助教授であり、田中首相のブレーンの一人でもある並川亨。
担当するのは国際問題。中東からの帰り道、友人のジャーナリストから忠告が。
その名はピーター。とても一介のジャーナリストとは思えない存在。
並川は指示通り香港のホテルに向かい、接触を待つ。
やってきたのは“蛙”というコードネームの美女。
蛙は滞日中の韓国要人に注意を払うよう告げる。
唐突な話に並川はもっと話を聞こうとするが、
彼女は部屋に置いてあった水を飲み変死する。
並川は連行されるもやっとこさ帰国。
そして金大中事件が起こった。
さらに田中首相を取り巻く状況は悪化し、
ロッキード事件が巻き起こる――という話。
感想
金大中事件は自分が産まれた年のことだし、
ロッキード事件はそれから2~3年後のこと。
なもんでリアルタイムで知っているわけではないが
今なおいろんなところで取りざたされ、しかも核心はわからない事件。
1976年出版なんだからよくいろんなことが調べられたもんだ。
こういう調査能力ってのも作家は大事ですなあ。
本名と仮名を絶妙に織り交ぜているのも参考になる。
歴史にも光もありゃ闇もある。
知らぬが仏というか、何も知らん方が幸せなのかもしれんねえ。
宝くじでも当たったらボーっとしてのんびり生きたい(笑)