時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(11)お百度に心で詫びた紋次郎」を読む

光文社時代小説文庫木枯し紋次郎第11弾。
表題作のほか、「白刃を縛る五日の掟」「雷神が二度吼えた」
「賽を二度振る急ぎ旅」「年に一度の手向草」の計5編を収録。
連載再開後は数字を必ず入れているのが特色。

あらすじと感想

「白刃を縛る五日の掟」

新テレビシリーズ第14話の原作。
とある約束から長脇差を五日間抜かないことを余儀なくされた紋次郎の話。
見届け人の吉五郎、旅を共にすることになるお捨てのキャラがいい。
ゲストは林与一、服部妙子、草野大悟など。結構好きな短編。

「雷神が二度吼えた」

新テレビシリーズ第4話の原作。
紋次郎の長脇差が折れてしまいピンチに陥る展開。
ここでも道行きをともにする人たちのキャラが悪くない。
また、国定忠治の言葉を思い出すところなんかが好き。
ゲストは鮎川いずみ、住吉正博など。

「賽を二度振る急ぎ旅」

新テレビシリーズ第5話の原作。
紋次郎よりも腕の立つ元武士の渡世人が現れる展開。
ゲストは町田祥子、綿引勝彦(この頃の名前は綿引洪)など。

「年に一度の手向草」

新テレビシリーズ第2話の原作。
紋次郎が唯一、人と認める今は亡き姉のお光の墓参りに。
ところが何者かが墓を掘り返した跡が。怒りに燃える紋次郎だがという話。
ゲストは「あばれはっちゃく」東野英心、浜村純、吉本真由美など。
監督・脚本は神代辰巳。観たいなあ。

「お百度に心で詫びた紋次郎」

新テレビシリーズ第26話・最終回の原作。
ようやく安住の地を見つけたかに思えた紋次郎だったが――という展開。
人間関係のあやのつけ方とどんでん返しとラストシーンが素晴らしい。
ゲストは中島葵、水島道太郎など。

粒ぞろいの短編集。

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