西村寿行「霖雨の時計台」。1983年の作品。
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あらすじと感想
当時「火曜サスペンス劇場」で田中邦衛主演でテレビドラマ化された。
再放送で観て印象に残っていたので覚えている。
このブログを書くまでずっと「きりさめの時計台」と思っていた。
勘違い。正しくは「りんう」である。
ちなみに、霖雨とは何日も降り続く雨、ながあめということである。
内容は死刑執行まで5日と迫った男の無実を信じ、
単独でそれを証明しようとする刑事の話。
ところが主人公、いきなり車にひかれてしまう。
しかし、ひいた相手はテレビ局の編成部長。
これがきっかけで主人公の行動を番組として
放送しようとなるのだからあらまあである。
都合がいいと言っちゃあそれまでだが、
ここまでくるとかえって気持ちがいい。
イケイケどんどんである。
はぐれ刑事の話というのは古今東西それほど珍しくはないけれど、
テレビ局が大々的にその刑事の冤罪捜査を追いかけるというのは珍しい。
しかし、その捜査過程はそんなに描写されてるわけではなく、
どちらかといえば事件に関係した者達の人間模様が中心となっている。
犯人の動機はそれかよと思うけど、
そういう奴いるわなあとも思う。
そして西村寿行作品にかかせないキーワード、動物。
今回はシェパード。
しかし、特に文章が上手ってわけではないと思うけど、とにかく絵になる。
この作品は一種のヒーロー物語。
今の時代、ここまで都合のいい話は書きにくい。
しかし、人として「こうありたい」と強く思わせてくれる作品だ。
テレビドラマ録画したんだよなあ。
DVDに焼き直した覚えあるんだけど、どこにあんだろ・・・探そ。