1977年出版の天使シリーズ第4弾。
作品は1968~1973年に書かれたもの。
表題作のほか、「天使の賭」「天使の仮面」
「天使の痩せた土地」「天使の海」「天使と匕首」の計6編。
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「天使の祈り」は部下が起こした交通事故から
被害者の身辺に群がる宗教団体の黒い影を私が暴く。
1973年のテレビドラマ「追跡」の原作の一つ。
「天使の賭」は競馬場で出会った女に馬券を頼まれる。
女が言ったのはとても当たりそうにない大穴中の大穴。
買って戻ってくると女はいない。
ところがこの馬券が大当たりしたもんだから
嫌が上でも女の行方を追うことに私はなる。
「天使の仮面」はある篤志家が殺された。
私は事件の真相を探るが、それは一人の人間の
悲劇を明らかにすることでもあった――。
これは結構好きな作品。好きというか合う。
「天使の痩せた土地」は土地成金を巡る事件。
かつての友人とその妻が絡んでの味わい深い作品。
「天使の海」は売れっ子女優と結婚した
アングラ劇団の演出家が海で謎の死を遂げた。
私はその事件を調べたのだが――ほろ苦さが残る作品。
「天使と匕首」は新聞社の拾得物として届けられた匕首。
相当な業物との鑑定を受けるが、それに高値を付けた男が
何者かに刺殺されてしまう。背景にあったものとは――という話。
なんやかんやで天使シリーズ好き。