衝撃の問題作・清水一行「処刑教師」を読む

1982年出版の作品。
学校が抱える構造的な問題を描いた問題作。
1984年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。
柴田恭兵、かとうかずこ、伊東四朗らが出演。

あらすじ

舞台は東京・荒川区の中学。
ある日、中学教師の笠原は自分が担任を受け持つ
3年生のクラスの父親から息子のいじめの相談を受ける。

笠原はいじめていた4人の生徒と向き合うが
同僚の教師・詩子を除いて周りの教師は非協力的。

そうこうしているうちにその生徒が自殺してしまう。
責任を感じた笠原は詩子の力を借りて真相究明を続ける。

しかし、今度は笠原が謎の失踪。
そして、いじめに加わっていた4人が殺されていく――。

犯行は笠原の仕業なのか、それとも?
詩子と新聞記者の小宮山は事件を追いかけるが――という話。


感想

しかしまあ、世の中はちっとも進歩しとらんと痛感。
いじめ自体は今も昔もあるが、それもそのはずで
社会の中でいじめがなくならんのに、学校で無くなるわけがない。

印象に残る箇所はあるが、なかでも次の一文は強烈だ。
「どんな社会でも、若い未熟な者は、経験豊かな先輩の指導を受け、
失敗して叱られたり、いろいろなことがあって、
少しずつ一人前の社会人に成長していくはずだった。
ところが教員の世界だけは、それがまったくないのである」

そりゃ事件も起こるわいな。
免許の更新制にしましょかという口実にもなるはずだ。

もうあれやね、社会人経験積んでからしか
教師になれないとか義務付けていかんとあきませんわな。

ま、それをすりゃいい教師になるのかといえば
一概には言えんかもしれんが、世間が狭い教師が多いのも確かだろ。

自分の学校生活振り返っても、
まあほとんど「御冗談でしょ」みたいな教師が多かったのも事実。

学校だけじゃないけどね、別に。
そうやって耐性がついて成長していくものなのだが。

ラストの犯人の告白も問題提起というか、社会性に満ちている。

この前、教師が生徒を殴る映像をスマホで撮るなんてのあったけど、
教師も殴るんなら己の首かけて腹くくってやればいいし、
学校は学校で毅然とした態度取れないなら全員辞めてしまえって話だし、
生徒は生徒で大人舐めたらどういう目に遭うか身をもって知ればいいのよ。

すべてが中途半端でしょぼい。

今これ映像化すれば面白いのにね。

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