1972年出版の時代小説。
それまで映画などで描かれてきた定番の
清水次郎長が善、黒駒の勝蔵が悪という評価を
初めて覆した画期的な作品として知られる。
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あらすじ
上黒駒村の名主の次男・勝蔵。
吃安こと竹居の安五郎の賭場で博奕三昧の日々。
ぐれた生活を送っていた勝蔵は、
自分のせいで姉の結婚が破談になったことを知る。
戸倉の旦那に援助するから
この際自分の一課を構えてみたらどうかと
打診された勝蔵は家を出ることを決意する――という話。
感想
久々に読んでもやっぱり面白い。
時代小説の面白さを教えてくれた作品。
ショーケンが昔テレビドラマ「風の中のあいつ」で
黒駒の勝蔵を演じていた。
あのドラマ観たいんだよねえ。
DVD出てるらしいんだけど。
前田吟とか出てたような。主題歌はジュリー。
この曲がまたいいんだよねえ。
ただ単に成りあがっていく者の話ではなくて
幕末から明治維新にかけての政治状況だったり
その中でうまく立ち回った清水次郎長との対比など
社会と人間の関わり方の描写が素晴らしい。
もし官軍に入らなかったら勝蔵はどうなっていたのか。
結局大多数の人間は時代に使い古され捨てられるだけなのか。
不器用に生きた勝蔵の姿から学ぶものは多い。
これなんか今の方がドラマ化しがいがあるやろうけどねえ。