1982年出版の短編集。
表題作のほか、「海辺の悲劇」「三億円の悪夢」「知らない町で」
「危険な伴侶」「超速球150キロの殺人」「白いスキャンダル」
「戦慄のライフル」「白い罠」の計10編を収録。
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「海辺の悲劇」は独特な映画の香り漂う作品。
「おもいでの夏」的な話をミステリーにしたみたいな。
「三億円の悪夢」は巻き込まれ型サスペンス。
ま、うまい話には気をつけろということ。
「知らない町で」は前にも読んだような。
地域の閉鎖性を描いたSF感もあるサスペンス。
「危険な伴侶」はラストが印象的な超短編。
「超速球150キロの殺人」はスポーツミステリー。
150キロを投げる投手だからこそ容疑者になる皮肉。
「白いスキャンダル」は十津川警部もの。
いい思いをした男が殺人事件の容疑者に。
よくある巻き込まれ型サスペンスだが、それなりに面白い。
「戦慄のライフル」は十津川警部ものには珍しいアクション。
凄腕の元自衛官のライフル魔を何者かが護送中に奪う。
犯人の目的は? 十津川警部たちはある人物をマークするが――。
面白いんだけど、終わり方はどうかなあ。
「白い罠」はまたまたいい思いをした男が巻き込まれる。
巻き込まれ型×クリスティ的犯人当て作品って感じ。
これはこれで結構面白い。
表題作「死者に捧げる殺人」は魅力的な作品。
亀井親子が球場で発見した死体から始まる3つの殺人。
その関連性と動機を巡るストーリー展開が素晴らしい。
また、国立国会図書館に関するシステムも興味深い。
ラストは刑事コロンボ的な感じもする。
この中なら表題作になるだけあって一番かな。