西村京太郎82「展望車殺人事件」を読む

1984年出版の短編集。
表題作のほか、「友よ、松江で」「特急『富士』殺人事件」
「死を運ぶ特急『谷川5号』」「復讐のスイッチ・バック」の計5編を収録。

「友よ、松江で」は一人称の短編。
誰かはわからないが十津川警部の部下だということだけわかる。

友人から「助けてくれ」という知らせを受け取った私は、
彼との思い出を振り返りながら助けるために向かうのだが――。

友情・思い出・はかない現実。
展開は読めてしまうが、一人称の味わいが心に残る。

1988年に乱歩賞作家サスペンスの一つとして
関テレでテレビドラマ化されている。

原作は男の友情だが、ドラマは昔の恋人に変更。
田中美佐子主演、羽賀研二、森本レオ、平泉成などが出演。


「特急『富士』殺人事件」は時刻表トリックがらみ。
こちらは十津川警部の友情とそして……的な話。
時々登場する社会部デスクの田島も登場する。


表題作の「展望車殺人事件」は
毎度おなじみ亀井親子巻き込まれました話。

これは列車の構造を知ってないと書けませんわな。
展開が読めるようで意外と工夫が凝らされている。
ラストへのもっていきかたが結構いいなと思う。

1986年に木曜ドラマストリート(懐かしいな)で
フジテレビでテレビドラマ化されている。

十津川警部はなんと「わかめラーメン」石立鉄男。
西本刑事は堤大二郎。TBS版より前にやっとったのね。

他には三原じゅん子などが出演。
昔、三原じゅん子似の姉ちゃんが一番身体の相性がよかった。

閑話休題。

「展望車殺人事件」は2006年に
沢口靖子主演「鉄道捜査官」の原作にもなっている。


「死を運ぶ特急『谷川5号』」は
十津川警部シリーズには珍しい倒叙もの。

十津川や亀井も出てくるが、
メインは群馬県警の矢木部長刑事。

1988年に火曜スーパーワイドで映像化。
河合奈保子のシリーズでしたな。

矢木部長は近藤正臣で、親子で事件解決に挑む展開。
火曜スーパーワイドはバブルの時代薫る
ライトミステリとタイアップが多かったですねえ。

あれはあれで今観ると何となくよかったりもするけど。


復讐のスイッチ・バック」は前にも読んだ気が。
これも列車を知っていないと無理ですわな。結構好きな短編だけど。

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