直木賞作家・連城三紀彦「人間動物園」を読む

2002年出版の作品。
2009年にWOWOWでドラマ化。

あらすじ

記録的な大雪に見舞われた埼玉県の某都市。
そんな中、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。

前日には犬が誘拐されたとわめいた被害者宅の至る所には盗聴器。
身動きがとれない警察になぜか被害者の母親は非協力的。

そのうち誘拐はそもそも狂言ではないのかとの疑問も。
誘拐事件に先立って起きた動物たちの事件は関係があるのか?

二転三転する中、明らかになった真実とは――という話。


感想

さすがというしかない内容の誘拐話。
これまでの誘拐ものの常識を覆したといってもいい。

幻影城出身の著者はこれまでも既存の作品にはない
独特さで一世を風靡してきたわけだが、この作品もなかなか。

ま、人によっては読みにくいかもしれんが。
読んでるうちに慣れてくるもんだ。

ドラマ化の際には松本幸四郎、江守徹、山本太郎、
小島聖、高畑淳子、三田村邦彦、東ちづる、永島敏行など
なかなかのメンバーが集結。

本当は誰が誘拐されたのか?--という点がポイント。

サスペンス色豊かでありながらゆがんだ親子関係の部分など
読みどころはそこかしこにある。

代議士に食って掛かる妻の姿を、
野次を飛ばせばそれで国を守っていると信じてる
野党の連中そのものだ、なんて例えてるところは最高だ。

「戻り川心中」などしか読んでない方は
ぜひこの幻影城出身らしさが出ている作品を読んでいただきたい。

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