西村京太郎435「十津川班捜査行 湘南情死行」を読む

2008年出版の短編集。
「湘南情死行」「恋と復讐の徳島線」「死への週末列車」
「愛と孤独の宗谷本線」「青に染まった死体」の5編を収録。

「湘南情死行」は恋人とデート中の西本刑事が
クルーザーの爆発を目撃するところから事件に巻き込まれる話。
西本らしいというか彼女の方がしっかりしていて
事件解決のきっかけを作ってくれる。

「恋と復讐の徳島線」は十津川警部がメイン。
最近行きつけになった本屋の主人が急に姿を消した。
気になって調べてみると主人には哀しい過去があった――という展開。

ラストシーンが印象的な短編。

「死への週末列車」は日下刑事活躍編。
今回は女難の相はない(笑)
オリエント急行殺人事件を連想させる雪に囲まれて動けない
列車内を舞台に起きた殺人事件を解決に導いていく。

「愛と孤独の宗谷本線」は北条刑事活躍編。
子供が殺された事故の復讐を誓い稚内に向かう父親。
それを止めようとする北条刑事と父親に忍び寄る別の影。

これまたラストシーンが印象的。

「青に染まった死体」は亀井刑事活躍編。
もっとも本当に活躍するのは息子の方だが。
やはり亀井刑事が子供と出かけると事件に巻き込まれる(笑)

このトリックはなかなか見事。
ワンアイデアなんだけど切れ味抜群。
トラベルミステリの第一人者ならではの作品。

この短編は「西村京太郎の父子トラベルミステリー
 伊豆急展望列車『リゾート21』の謎」として
1989年に火曜スーパーワイドでテレビドラマ化。

なんか野球中継の影響で1時間に短縮して放送したらしい。
完全版は観れないもんなんかね。観てみたい。

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