2008年出版の短編集。
「湘南情死行」「恋と復讐の徳島線」「死への週末列車」
「愛と孤独の宗谷本線」「青に染まった死体」の5編を収録。
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「湘南情死行」は恋人とデート中の西本刑事が
クルーザーの爆発を目撃するところから事件に巻き込まれる話。
西本らしいというか彼女の方がしっかりしていて
事件解決のきっかけを作ってくれる。
「恋と復讐の徳島線」は十津川警部がメイン。
最近行きつけになった本屋の主人が急に姿を消した。
気になって調べてみると主人には哀しい過去があった――という展開。
ラストシーンが印象的な短編。
「死への週末列車」は日下刑事活躍編。
今回は女難の相はない(笑)
オリエント急行殺人事件を連想させる雪に囲まれて動けない
列車内を舞台に起きた殺人事件を解決に導いていく。
「愛と孤独の宗谷本線」は北条刑事活躍編。
子供が殺された事故の復讐を誓い稚内に向かう父親。
それを止めようとする北条刑事と父親に忍び寄る別の影。
これまたラストシーンが印象的。
「青に染まった死体」は亀井刑事活躍編。
もっとも本当に活躍するのは息子の方だが。
やはり亀井刑事が子供と出かけると事件に巻き込まれる(笑)
このトリックはなかなか見事。
ワンアイデアなんだけど切れ味抜群。
トラベルミステリの第一人者ならではの作品。
この短編は「西村京太郎の父子トラベルミステリー
伊豆急展望列車『リゾート21』の謎」として
1989年に火曜スーパーワイドでテレビドラマ化。
なんか野球中継の影響で1時間に短縮して放送したらしい。
完全版は観れないもんなんかね。観てみたい。