西村京太郎134「特急『北斗1号』殺人事件」を読む

1987年出版の作品。
2005年に土曜ワイド劇場で映像化。

あらすじ

吉岡という男に騙され借金を抱えた風見ゆう子。
自殺を決意して雪の北海道へ旅立ったのだが
「100万円を使ってくれ」という奇妙な依頼を受ける。
自殺するのを止めないことを条件にその男と
旅をつづけたゆう子だが、網走で自殺を図ろうとした時
警官たちに止められてしまう。連続殺人の容疑者としてだ。
確かに被害者の男とは列車で会ったがなぜ自分が?
巧妙に張り巡らされた罠の中、ゆう子は拘置所で自殺する。
果たして事件の真相は?--十津川と亀井は北海道へ――という展開。


感想

ザ・巻き込まれ型サスペンスという感じ。
巻き込まれたら普通は助かるものだが、
ゆう子は自殺してしまう。しかも真相に感づいて、だ。
それを優しさととらえるかどうかは人によって分かれるところだろう。

原作はゆう子の行動から追っていくが
テレビドラマだとそれでは困るので、
十津川たちが吉岡の死体を捜査しその線上で
ゆう子の存在が浮かび上がるという風になっている。
原作では吉岡の死体が発見されるのは連続殺人の後。
しかも犯人はゆう子であるかのような細工をしている。
ドラマでは吉岡の事件についてアリバイが成立する。
こういう風にしてしまうとゆう子の哀しさが半減してしまう。

定型にハメればいいというものではないのよねえ。
そりゃ土曜ワイド劇場もなくなりますわ。
出演は高橋十津川・愛川亀井らレギュラー陣の他に、
大河内奈々子、甲本雅裕、青田典子など。

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