笹沢左保「その朝お前は何を見たか」を読む

1981年出版の作品。
1983年に火曜サスペンス劇場でドラマ化。
渡瀬恒彦主演で、ほかに藤谷美和子や山口果林、渡辺裕之が出演。
その後テレ東で映像化。中村雅俊、浅田美代子らが出演。

あらすじ

潜在性高所恐怖症でパイロットを辞めた三井田久志。
一人息子の友彦を残し妻に蒸発されてからは隣人の協力を得ながら
トラック運転手として糊口をしのいでいた。
ある日、携帯したラジオのニュースから誘拐事件の音声が。
犯人の脅迫電話だったが、その声に「お母さん!」と友彦が反応。
愕然とする三井田だったが、友彦のために妻を探し出し
離婚届にハンコを押させることを決意する。
その日から三井田の妻を探す旅が始まった――という話。


感想

蒸発した妻が誘拐殺人犯人かも――。
息子のために妻のまま逮捕させるわけにはいかない。
かくして主人公は警察よりも早く妻を見つけるべく旅に出る。
この設定がなんとも味がある。
タイトルは何だろうと思ったのが最後まで読むと納得。
予想よりも面白く主人公の行動にハマる。
ハードボイルドとしてもよくできてるなあと思う。
反面、警察はこの間何をやっとるんだと思わなくもない。
そこら辺を書き出すと主人公がこんな行動できんのだが。
しかしまあ、この嫁というのがどうしようもない。
ラストは2つのカタルシス。予想よりよかった。

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