アカデミー賞受賞作映画「黄昏」を久々に観る

1981年のアメリカ映画。
ヘンリー・フォンダが最優秀主演男優賞、
キャサリン・ヘップバーンが最優秀主演女優賞に輝いた。

あらすじ

ニューイングランド地方の片隅にある湖水“ゴールデン・ボンド”。
引退した大学教授のノーマン(ヘンリー・フォンダ)と
エセル(キャサリン・ヘップバーン)夫妻が休暇を過ごしにやってきた。

一家の思い出がつまったコテージ。
ノーマンは心臓が悪いうえに物忘れが激しくなっていた。
エセルは死の話をするようになったノーマンに不安を覚えていた。

家に寄りつかなかったバツイチの娘チェルシー(ジェーン・フォンダ)から
コテージに便りが届く。
歯科医の彼とノーマンの誕生日を祝いに来るという。

「おれの老いぼれぶりを見に来るのか」

ノーマンの皮肉をエセルは温かく包む。

チェルシーが恋人のビルとやってきたが
2人だけでなくビルの息子ビリーも一緒だった。
ぎくしゃくしながらも昔を懐かしむノーマン達。
チェルシーはビリーをしばらく預かってもらうために来たのだ。

チェルシーはいつも父親とうまくいかず反抗してきたが
心が父親から離れることはなかった。なのになぜ父は折り合おうとしないのか。
それぞれが葛藤するさまを見てきたエセルが言った。

「誰でも若い時を振り返れば、にがい思い出があるものよ。
だからといって人生は台なしにはならなくてよ」

チェルシーはビルと一緒にヨーロッパへ旅立つ。
ノーマンはビリーと触れ合うことで感情を蘇らせていった。
それを温かく見守るエセル。
釣りを楽しみ、事故に遭ってもこりずに湖に出るノーマンとビリー。

チェルシーが旅から帰ってきた。
ベルギーでビルと結婚式をあげたことを報告に。
祝福するエセル。父は喜んでくれないというチェルシーの頬をぶつ。

「本当にそう思うのなら、彼をよく知らない証拠よ。
ノーマンは愛情深い人です。ただうまく表せないだけ。
彼はあなたをこわがっているわ」

釣りから帰ったノーマンとビリーを迎えるチェルシー。

「普通の父と娘のような関係になりたいわ」
「遺言が気になりだしたか」

皮肉の中にも愛情が込められていた。
ビリーも加わった夏も終わろうとし、一人一人が永遠に続くであろう
ぶつかりあいの中に家族愛を見出していた。


感想

ノーマンとチェルシーの関係は実際のヘンリーとジェーンのようなもの。
この映画はジェーンが父親のヘンリーにプレゼントした映画。
ヘンリーの方は多くを語らなかったが
娘と父が仲直りするシーンを撮り終えた後、スタッフ全員が泣いていた
というエピソードを嬉しそうに語っている。

大スターだったヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘップバーンの
初共演も話題となった。

元々は舞台劇作品。
それを映画化する場合は、舞台をそのままカメラの処理で見せる方法と
映像ならではの空間を拡大する方法とがあるが、後者を選んだのが正解。

何と言ってもゴールデン・ポンドの風景が圧巻だからだ。

歳とってから観ると昔より感動するね、こういうのは。

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