1969年のフランス・アルジェリア合作映画。
1963年に起きた実在の事件を元にした
原作を社会派のコスタ=ガブラス監督が映画化したもの。
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あらすじ
政治集会を開こうとしていた広場で
政治家Zが衆人環視の中、男に撲殺される。
男は三輪軽トラの荷台に乗っており
明らかに殺意を持っていたものと思われたが
目撃者は皆「交通事故」と証言する摩訶不思議。
それでも真実を追求しようとする者達は
男が警察組織に金で雇われていたことを突き止める。
予審判事と新聞記者がタッグを組み
さらなる真相を暴こうとするのだが……という話。
感想
最初に観た時の衝撃は忘れられない。
とにかくまあグイグイと引き込む演出が圧倒的。
ドキュメンタリータッチというか実際の事件をモデルにしたものは数々あれど
政治がからんでいることもあって終わり方といいドギツイものがある。
ギリシャは1967年に軍事独立政権が誕生し
その圧政を告発するためリアルタイムで製作されたこともおおきいのだろう。
この作品はアカデミー賞外国語作品賞を受賞し
編集賞も受賞するなど輝かしい成績を残したが
主演のイブ・モンタンはFBIに監視されるなどいろいろな迫害も被った。
それにもめげず「告白」「戒厳令」と
いわゆるコスタ=ガブラス三部作に主演したモンタンは偉い。
また判事役を務めたジャン=ルイ・トランティニャンはさすがの演技。
個人的にはフランス映画史上最高の俳優と思う。
さらに新聞記者役のちょっとチャラいジャック・ペラン。
実はこの人、この映画のプロデューサーでもあった。
実録映画の最高峰ともいえる名作。