1975年TBSで放送された連続ドラマ。主演は沢田研二。
当時、時効を迎えようとしていた3億円事件を題材にした画期的なピカレスクロマン。
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あらすじ
時効まで後半年に迫った3億円事件。
その犯人、可門良(沢田研二)は孤児院の先輩だった
野々村(藤竜也)が経営するクラブで歌手として働いている。
しかし良は脳腫瘍に侵されていて余命いくばくもない。
良を犯人とにらむ白戸警部(若山富三郎)、
元レーサーの八村(荒木一郎)、
その妻ふみよ(安田道代)、
障害者の良の妹いづみ(三木聖子)、
看護師静枝(篠ヒロコ)を巻き込み
時効まで刻一刻と時は流れていく――という話。
感想
滅びの美学という現代のドラマでは
ほとんど見られなくなったものを存分に感じられる名作。
良と野々村のホモセクシャルな関係とか
裸は出るし暴力的なシーンのオンパレードで
リアルタイムの視聴率はそれほど振るわなかったが、伝説化されていたテレビドラマ。
昔DVDが出た時、買ったことを嬉しそうに話していた友達がいたっけ。
キャスティングが豪華かつピッタリな役柄。
何よりも挑戦的でいいドラマを作ろうとする熱気が伝わってくる。
主題歌「時の過ぎゆくままに」のハマること。
劇中で歌うシーンがあるがCD(当時はレコードか)のキーより高い。
ピカレスクロマンというジャンルは
現代では廃れてしまったがこうやって観るとまだまだいけるのではと思える。
後のキムタクとさんまがW主演した「空から降る一億の星」なんかは
このドラマの影響があるかもしれんねえ。
こうやってDVDで観れるのは嬉しい限り。
第6回のラストでオカマのヤクザ(伊東四朗)を
ボコボコにする良を止めた野々村が問いかける。
「お前は何を守ってるんだ? 3億円か」
「青春」
まあなんと秀逸な良の答え。
これぞ滅びの美学。
観ておかないと損ですわ。