オールスター大作映画「パリは燃えているか」を観る

1966年公開の大作映画。

あらすじ

舞台は1944年8月。
占領下のパリに、フランス軍とアメリカ軍が進撃を開始する命令を待っていた。

パリではレジスタンス活動が行われていたが
内部ではドゴール派と共産派の内部対立があった。

ヒトラー親衛隊に射殺される者、
スパイの手引きで虐殺される学生たち……
事態は切迫しており、パリ市民の決起が計画された。

一方、ヒトラーはパリを焼き払う命令を降すが
変わったばかりの司令官はドイツの敗戦を予期していた。

司令官はドイツ軍のパリ爆破計画を密かに
スウェーデン領事に告げ連合国軍側に伝えることを託す。

そして連合国軍とフランス軍がパリに到着、全市をドイツ軍から解放する。

市民の歓呼に迎えられてパリに入ってきた
オープンカーにド・ゴールが立っていた……という話。


感想

アラン・ドロンやジャン・ポール・ベルモンドなど
当代の映画スターが総出演した作品。

映画を観るとパリ解放時に全市民が立ちあがったか
のように見えるが実は全然そんなことは無い。

せいぜい始まりは4、5千人。
全土に広がった時でも4、5万程度だったという。

市街戦のさなかに一方では競馬に興じ、
セーヌ川で釣りをし、カルタの賭けに夢中だった人もおるわけだ。

市街戦は3日で終わった。
要はドイツ軍司令官コルティッツが本気で戦わなかったおかげである。

もしヒトラーの命令通りに
パリを爆破しまくってたらどうなっていたのだろうか。

ある意味一番称賛されるべきはこのドイツ軍司令官かも。

大スターが総出演している映画で
貴重な歴史フィルムなども使用しているのだがいかんせん長い。

レジスタンスを描いた映画なら「影の軍隊」とか
無防備都市」の方がねえ。リアル感が違う。

まあ歴史絵巻としてはよく出来てると思うのだが。

人間なんて白か黒かで分けることはできないもので
占領されても協力者や日和見主義者が圧倒的多数なことは
いつの時代、どこの国でも同じこと。

8月パリが解放されるまで何にもしなかったのに
9月以降に「俺は戦った」なんて言いふらす奴を皮肉って生まれた言葉。

それが「9月のレジスタンス」である。

そういう連中が今度はアルジェリアの独立を妨害したんだろうねえ。
そして映画「アルジェの戦い」が生まれた。なんだかなあと思うわけである。

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