1978年公開の東映映画。
2年半ぶりに健さんがホームグラウンド東映に帰還。
日本アカデミー賞受賞記念作品だったのねこれ。
前年のテレビドラマ「あにき」でコンビを組んだ倉本聰脚本。
なのでやくざ映画でもちょっと違う。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
秀次(高倉健)が出所し、横浜に帰ってきた。
15年前、冬の海辺で秀次は松岡(池部良)を殺した。
二人は関東の組織の幹部で兄弟分だったが
松岡が関西の組織と手を組み裏切ったためドスを取ったのである。
その時、殺した松岡には3歳になる娘、洋子がいた。
会長の坂田(藤田進)はすっかり老けこんでいたが
昔からの舎弟分・南(田中邦衛)が何かと面倒を見てくれる。
秀次はこの15年、ブラジルの叔父からだと称し
洋子(池上季実子)に仕送りを続けていたがそれを仲介していたのが南だった。
洋子が会いたがっていることを南から聞くが
秀次は陰から見守っていればそれでいいと思っている。
洋子は南の弟分、竹田(三浦洋一)と付き合っていた。
ある日、秀次は喫茶店で洋子と竹田の姿を見るが立ち去る。
洋子は第6感で秀次がブラジルの叔父さんではと
竹田に聞くが当然竹田は違う人だと答える。(そりゃそうだ、ドラマ終わってまう)
で、時は同じように巡るもので再び15年前と同じように
関西とのからみで会長の坂田は殺され内部に裏切り者がおるという状況。
堅気になろうとしていた秀次は否応なしに巻き込まれる。
秀次は竹田に堅気になって洋子を幸せにしろといい
洋子には当分日本に帰れないと電話しさよならを告げる。
裏切り者はやはりこの人、小池朝雄演じる山辺。
「何とか見逃しちゃくれねえか、ガキがいるんだ」
秀次、ドス一突き。15年前の冬の海鳴りが聞こえてきた――という話。
感想
ま、要するに「足ながおじさん」やくざ映画版である。
「昭和残侠伝」でさんざんお供してくれた池部良さんを
冒頭で殺すなんてのはそれまでの任侠映画へのアンチテーゼなのかねえ、やっぱり。
しかし、こういう男の哀愁、背中で語る男は健さんの右に出る者はいませんね。