好評を博した横溝正史シリーズから約5年後、
当時あった「ザ・サスペンス」枠で再び金田一耕助シリーズが開始。
その第一弾として選ばれたのが「本陣殺人事件」。
原作において金田一耕助の記念すべき初登場作品である。
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あらすじ
岡山県の旧本陣の末裔である一柳家で
長男・賢蔵と久保克子の婚礼が執り行われた。
しかしその夜、悲鳴と激しい琴の音が響き渡る。
一同がかけつけてみると夫婦の寝室である離れには
無残に変わり果てた賢蔵と克子が倒れていた。
離れの日本間は完全な密室であった――。
感想
意外と知られていないことだが、
金田一耕助はアメリカの大学に行っていて
こともあろうに大学さぼってジャンキーになってた男である。
その時、金田一の面倒をみていたのが本作で登場する久保銀造。
原作では銀造の姪・克子が新婚初夜に密室で殺害されてから
金田一を呼び出すのだが、それでは困るのでたいていの場合
いろいろ理由を考え金田一は最初からいる。
本作の魅力はなんといっても密室殺人のトリック。
よくもまあこんなトリックをと思うのだが、
映像にするとすげえ説得力あるんだなこれが。
犯人の動機がまたえげつないというかなんというか。
かえって現代ではこれぐらいの潔癖症がほしいぐらいだ。
よく考えりゃ泡坂妻夫の「乱れからくり」なんか
「本陣殺人事件」の影響受けてんだろうなあ、やっぱり。
横溝正史シリーズでも全3話でやっているが
この2時間版の方がコンパクトで出来がいいような気もする。
事件が解決し、金田一が別れ際に鈴子を抱きしめるシーンも
情感豊かでとてもいいシーンだ。
古谷一行の主題歌はどうにかならんかと思うけど。
ここから2時間版が全32話作られていくわけである。
しかし、「ザ・サスペンス」懐かしいなあ……