1961年公開、東宝映画。
松本清張「黒い画集」シリーズの1本。
主演はまだ「ご一緒」願わない時代の池部良。
助演は「芹沢博士」平田昭彦。
ヒロインは松本清張が大好きだった新珠三千代。
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あらすじ
舞台は銀行。
大学の同窓の常務桑山のヒキで
いきなり課長から池袋支店長になった沖野。
新任の挨拶回りで料亭の女主人奈美と出会う。
奈美の資金を用立てているうちに沖野は奈美とデキてしまう。
ある日、たまたま支店に寄った桑山は偶然来てた奈美に一目ぼれ。
追加融資をエサに奈美を横取りしたあげく
沖野を宇都宮支店に飛ばす。
沖野は私立探偵を雇い桑山と奈美の関係を洗い
総会屋に頼んで株主総会で暴露をたくらむが
逆に総会屋は桑山に買収され計画はパーに。
それどころかヤクザに脅される(この時の丹波哲郎が笑える)。
それでも沖野は会社を辞めた探偵の協力を得て
桑山を罠にはめ失脚させようとするが
体裁を重んじる銀行は沖野の訴えを無視する。
哀れ沖野は茫然とススキのなかを歩くしかなく途方にくれるのだった。
感想
・・・・・・マヌケな話である。
膠着した組織の怖さ、人間の弱さが現れている。
結局、誰得やねんという話である。
現代でもこういうことあるんちゃうかなあ。
まじめ一徹ってのはダメだねえ。
嫁と子どもに逃げられるわ、
女には手のひら返されるわ
まさに踏んだり蹴ったり。
ブラックユーモアというか怖い作品。
テレビドラマは5回。
1960・1962・1975・1983・2013年。
1983年版の露口茂・梶芽衣子・山口崇のバランスはいいなあ。
終わり方もこっちの方がいい。映画はあまりにも救いがないから。