1982年土曜ワイド劇場にて放送。
原作は松本清張の同名ミステリ。
1952年に起きたもく星号墜落事件を扱ったドラマ。
主演は栗原小巻と根津甚八。関根恵子、中谷一郎などが出演。
あらすじ
時は朝鮮戦争最中の1952年4月9日。
羽田を飛び立った「もく星号」が20分後に消息を絶った。
当時は米軍の管制指示に基づいて運航していた時代。
管轄していたのはジョンソン基地と呼ばれていた横田基地。
午後三時、基地から連絡が入り、もく星号は静岡県の沖に不時着。
乗客・乗員全員無事という発表を受けて各紙は一斉に報道。
ところが、それは大嘘で
翌日、三原山噴火口付近でもく星号の残骸が発見された。
乗客・乗員は全員死亡し、調査委員会が開かれる。
事務局長は原(中谷一郎)。
結局、原因は何らかの原因による操縦士のミスとして片づけられた。
それから13年―。
俳句の会に出席していた大学院生・小枝(根津甚八)は
自分が偶然墜落現場で拾ったブローチが唯一の女性客・八重子(関根恵子)のものだと知る。
そこから事故に興味を持った小枝は
執念深くもく星号のことを追う佐紀子(栗原小巻)と知り合う。
粘り強く真実に迫っていく二人だが、
手がかりとなる人々が次々と消されていき、ついに二人も狙われる――という話。
感想
ドキュメンタリータッチで事件を描いた作品。
もっとも大半は想像の部分でしかなく、
例えばザ・サスペンス『黒い福音』なんかと比べるとだいぶ差があるような。
謀略事件と言われてきたが、今日では否定されている事件の一つでもある。
まあ真相はわからんといえばわからんものだし、今後も出てくる保証はなし。
こういう題材の描き方は玉虫色だと現在はちとしんどい。
ある程度裏付けがきっちりしてないと成り立たない部分がある。
それは小説でも映像作品でも変わらんと思う。
こんだけ情報化社会が発展するとよっぽど調べないと描けない。
ま、どんだけ裏付けあったとしても
自分の主張と違ってたらボロクソ言われる世の中なのだが。
苦労して書いてみたところで
命狙われたらシャレにならんしねえ。
真実と命を天秤にかけるのは現実では難しいもんですわな。
なんたって国会議員殺されてもロクに真相解明されない国なんだもの。
我々一般ピープルの命なんざ屁とも思ってねえわいな。
フィクションをフィクションとして読んでくれんし。
小説もだんだん情報誌みたいになってるとこあるからね。
だんだん作品の話とズレてきてるが、思うのはまあそういうとこ。