泉谷しげる主演・土曜ワイド劇場「戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件」を久々に観る

1979年土曜ワイド劇場枠で放送された。
芸術祭優秀賞、ギャラクシー賞など各賞を総なめした名作ドラマ。
土曜ワイド劇場史上、屈指の名作との評価も高い作品。
原作は本田靖春「誘拐」。
主演は泉谷しげる。本作が初の主演ドラマだった。
市原悦子、芦田伸介、松山英太郎、殿山泰司などが出演。

あらすじと感想

1963年に起きた吉展ちゃん誘拐殺人事件を犯人の小原保の側から描いている。
ドキュメンタリータッチというか、再現ドラマに近い構成で
犯人像に肉薄していく手法が今観ても斬新なもので、その後類似作品を生んでいった。

このあたりは柴英三郎さんの脚本と恩地日出夫さん監督ってとこが大きいのかな。
東京オリンピック前年の社会背景も描かれており、
実際の写真や音声、伊丹十三さんのナレーションが一層ドキュメント感を出している。

ノンフィクション作家の先駆者の一人である
原作者の本田さんはドラマ化の申し込みをなかなか承諾しなかったそうな。

監督の恩地さんが高校時代の同級生ってのがよかったのかな。
縁って大事ですな。ドラマ観たらものすごく褒めてたらしい。

現場を忠実にロケしているので臨場感抜群。
泉谷しげるさんの演技は絶賛された。
イメージが強烈過ぎて本人はどう思ったのかわからないけど。
内縁の妻の市原悦子さん、平塚八兵衛役の芦田伸介さんも印象深い。

東北の貧しい家の出身で足が不自由な時計修理屋だった犯人・小原保。
犯行に至る過程が克明に描かれ、誰もが犯罪者になり得ることを教えてくれる。

視聴率は確か25%以上あったような。
いろんな英知が詰め込まれたサスペンスドラマを語る上で欠かせない作品。
やっぱりいいコンテンツは通用するのよ、いつの時代でも。
そういうものを作らんとね。

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