懐かしの土曜ワイド劇場「悪女の仮面」を久々に観る

1980年土曜ワイド劇場枠で放送。初期ですな。
原作はシャーロット・アームストロング「悪の仮面」。
ミステリの古典である「毒薬の小壜」の著者。昔読んだな。
主演はいしだあゆみ。酒井和歌子、山本圭、浅野温子、中尾彬など豪華。

あらすじ

夫の鳴海(山本圭)と箱根に旅行に出かけた涼子(いしだあゆみ)。
ところが大渋滞に巻き込まれ、ホテルに着いた頃には涼子はダウン。
結婚7年目にしてできた子どもを気遣う涼子と、
それを知らされ驚きと喜びに包まれる鳴海。

さぞかし幸せな旅行になることだろう・・・そんなわけはない。
なぜだか鍵がかかっていない部屋に乱入してくる酔っ払い・黒川(石橋蓮司)。

涼子が黒川に襲われる中、鳴海が戻ってきて異変に気付く。
鍵もかけんとどこをほっつき歩いとるんじゃお前はと言いたいが、
鳴海が黒川をボコボコにして帳消しになる。

部屋を間違えたってどうやったら間違えるのかさっぱりわからんが、
旅行から帰ってみるとその黒川が変死したと新聞に出ていた。

もしかして俺が殺したのかも・・・
そこまで考えない人も世の中には多いが、
インテリなインテリアデザイナーの鳴海はそこまで考えちゃう人なのだ。

元世界チャンピオンのボクサーをどつきまわした
自分の力を誇示するようなことは決してしない。
オレだったらめっちゃ自慢するような気がする。

ホテルの人を交えた現場検証が終わってから人相の悪い警部(中尾彬)に
「遺族が何というか。すべては未亡人の出方次第」と言われさらに不安。

警察が不安がらせていいのかよ、おい。
しかし、未亡人のアキ(酒井和歌子)は責任をお感じにならないで、とあっさり。
キレイだねえ。

よせばいいのに「お困りのことがありましたら」と言っちゃう鳴海と涼子。
葬儀も終わり東京に出てきたいというアキは
車椅子の妹・ユキ(浅野温子)と鳴海家に居候することに。

何でそこまでしなければいけないの、と嫌がる我らがいしだあゆみさん。
ごもっともです。しかし、そうでなければドラマは始まりません(笑)
かくして、鳴海家を襲う悪夢の幕が切って落とされたのだった――という話。


感想

久々に観ても浅野温子さんのユキは怖い。
子どものブランコゆすりまくるわ、涼子に突撃しまくるわ。
極めつけは火だるまになって転がりまくっていく。
家の中からどうやってあんな表まで転がっていくのか謎ではあるが気にすることなかれ。

ドラマだ。

そしてサイコパス和歌子さん(笑)悪魔の微笑みが炸裂する。
意外と悪役が似合うのよね、「太陽にほえろ!」でもあったけど。
「愛の殺意」って回だったかなあ、出だしがなかなか衝撃的なやつ。
殿下(だったよな)と出会って、タオルをつけた浴槽に人死んでる話。

へーぜんと浴槽にタオル付けて殿下に渡す。怖え。
あれは確か鎌田敏夫さんの脚本だったと思うんだけど。
鎌田敏夫作品を見て育ってこれたことは財産ですな。

話が横にそれたが、本作は神代辰巳&田中陽造という一時代を築いた方達の作品。
怪奇サスペンスというか心理サスペンスというか。

アキとユキに追い込まれまくる涼子と
最後にならなきゃ事態が呑み込めない鳴海。

どう見てもアンタら今後幸せになれそうもないと思っちゃうのだが。
意外と映画になったり何回かドラマになったりしてんのよね。

押しの弱い家に入り込んで乗っ取り我が物顔に振る舞う
コバンザメや寄生虫と違い「悪女カマキリ」状態の悲惨な事件が起きている現代。

当時より今観た方がリアリティがあるのでは。
最後に一応事態は理解している中尾彬のポジションが好きだ(笑)

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