東映ポルノ時代劇映画「徳川セックス禁止令 色情大名」を久々に観る

1972年4月公開の東映ポルノ時代劇映画。
身も蓋もないタイトルがどインパクト。
監督は「トラック野郎」はまだ作っていない鈴木則文。
音楽は広島が怖くて仁義なき戦い出演を断った荒木一郎。
出演は杉本美樹、三原葉子、名和宏、山城新伍、渡辺文雄、
大泉滉、そしてサンドラ・ジュリアン。

あらすじと感想

時は11代将軍徳川家斉の頃。
精力絶倫であった家斉は大奥に通い、子どもはなんと54人。

現代に生まれればさぞかし感謝状がもらえたことだろう。

一方、家斉とは対照的に34歳で童貞、
もちろん独身な地方の藩主、小倉忠輝(名和宏)。

家斉の最後の子どもで成長した清姫(杉本美樹)と
江戸城のお偉いさん方が右往左往した結果、結婚することに。

ところが、この小倉あんぱんはそもそも女性が嫌い。
清姫も清姫で「何でアタシがこんな田舎大名と」てな感じ。

困った家臣が博多屋(渡辺文雄)に相談すると、
さすがというか博多屋、フランス人形と称しサンドラをあんぱんのもとに。

すると小倉あんぱん、猫とマタタビ状態になり完全にトリコ。
そこでやめておけばいいものを、なぜだか快楽そのものを独占しようとする。

「下々の者がこんな快楽を味わっているとは許せん!」

かくしてけったいな法令175条、「閨房禁止令」が発動!
要するに「ヤッたらあきまへんで、お前さんがた令」を出すわけだ。

もちろんこのままで済むわけもなく事態はさらにメタメタに。

禁止令に苦しむ庶民を見かねた侍が命がけで許嫁を抱くと
なんと小倉あんぱん、許嫁に切腹を命じる!

要するに何でこんな映画作られたかというと
当時日活ロマンポルノが摘発されたわけで。
刑法175条に定められたワイセツ物取締り違反ですよアンタらみたいな。

それで日活より先に東映ポルノ時代劇などを作ってきた人達が
「あほか、ボケー!」と言うたかどうかは知らんが、
性描写への規制を思い切り皮肉ってこんなオモロイ映画を製作。

反骨精神豊かですな。

大まじめにやってるところがなんとも可笑しい。

当然こんなボンクラ藩主の考えがいつまでも続くわけがなく、
唯一の楽しみを踏みにじられた民衆の不満は爆発。

なんと腰巻やふんどしをふりかざし「ヤラセろ一揆」をぶちかます!

ここまでやりゃバカバカしい通り越して爽快感さえある。

「権力者は性の快楽においても権力者でなければならない」
こんなバカバカしいことがまかり通っている国がどっかにあるかも。

日本に生まれてよかったホント。
などなどいろいろ考えさせてくれる実は啓蒙映画なのでは。

好む好まざるに関わらず一度は観てもらいたい映画ですな。

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