松本清張ドラマ・山本陽子主演「黒革の手帖」を久々に観る

1982年1月から2月にかけてテレビ朝日系列で放送。全6回。
原作は松本清張の同名ピカレスクロマン。著者後期を代表する一冊。
主演は山本陽子。田村正和、三國連太郎、ハナ肇、小沢栄太郎など豪華メンバーが出演。

あらすじ

銀行の支店に勤務する原口元子(山本陽子)。
支店長と次長しか知らない架空預金者名簿の存在を知った元子は、
コツコツそれを調べ上げ銀行から7000万円を横領することに成功。

その資金を元手に銀座で「クラブ・カルネ」を開店する。
さらに元子は架空預金者たちを手玉に取り、
全てを記した黒革の手帖を武器に更なる野望に邁進していく。

第1話は銀座に店を出した元子が
楢林(三國連太郎)から金を引き出すために
医院のまじめな婦長・市子(渡辺美佐子)を巻き込むまでを描く。

第2話は市子から楢林産婦人科の架空預金資料を手に入れた元子が
色仕掛けと罠によってまんまと楢林から金をせしめることに成功するまで。

第3話は楢林に捨てられた波子(萬田久子)と元子のバトル、
次の総選挙に出馬する安島(田村正和)との一夜を迎えるまで。

第4話は得意の絶頂にいる元子が予備校理事長(ハナ肇)から
さらに金を巻き上げようとするが、裏を知る安島から警告を受けるまで。

第5話は元子をカタに嵌める包囲網が進んでいることも知らず、
銀座一のクラブを手に入れようとする元子に訪れる悲劇の前兆を描いている。

最終話はまんまと罠にはまった元子大ピーンチ。
ヘルプミーと泣きつかれてもあっさりしてる叡子(白川由美)と
ちゃっかり叡子の店に就職しているすみ江(吉行和子)が何とも。

相手が悪いと知ってケツまくる弁護士の川合伸旺さんがリアル。
元子は一味のボス・長谷川(小沢栄太郎)に最後の勝負を挑むのだが――。


感想

1982,1984,1996,2004,2005,
2017,2021と実にテレビドラマ化7回を数える作品。

7回のテレビドラマ化で元子を演じたのは
山本陽子→大谷直子→浅野ゆう子→米倉涼子(2作)→武井咲(2作)。

なかでも最初にドラマ化されたこの1982年版のインパクトは強い。
松本清張と山本陽子が並んで制作発表している写真を見たような。

なんちゅうても配役が豪華かつ適材適所ですわな。
虚々実々の駆け引き、その雰囲気が似合い過ぎる人たちばかり。

無理に長くせずに全6回というのもいいし。
ラストシーンもインパクトありますな。あれでいいのかどうかは別として。

何回も映像化されているのはそれだけ魅力があるということなんだろうけど。
そういう魅力的なコンテンツを作らんとねえ、もの書きとしては。

しかし無理に他の作品を持ってきてまでドラマ化するのはどうなのかな。
観てないからわからないけど。機会があれば全部見比べてみよ。

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