松竹映画「必殺仕掛人 春雪仕掛針」を観る

1974年2月16日公開。必殺仕掛人映画化第3弾。
必殺の映画作品の中で最高傑作の呼び声が高い。

あらすじと感想

緒形拳の藤枝梅安は相変わらずハマり役。

テレビシリーズの西村左内から
なぜか小杉十五郎になってる林与一。

音羽屋半右衛門の山村聰はずっと変わらず。

ゲストの俳優陣が豪華の一言。

梅安の昔の女で盗賊の頭、
悪のヒロインお千代には岩下志麻。
妖艶という言葉がピッタリ。

その手下には夏八木勲。
半右衛門にぶった切られる。

梅安に風呂場で殺されるのは
チイチイとはまだ呼ばれていない
地井武男。まだ悪役が多い頃。

岩下志麻に誘惑されたあげく
大川の水をたっぷり飲まされる
哀れな手代、村井国夫。

ちょっとしか出番がないが
すごくイキイキ、高橋長英。

黒木進という芸名の頃で
後のスリーアミーゴス、小野武彦。

そして梅安と対峙する
剣の使い手、竜崎勝。

要するに俳優座「花の15期」の
皆さまがドラマを盛り上げてくれているのである。

梅安が命を狙われ恐怖に脅えながら女を抱いたり、
金をもらって人を殺すことについての梅安と小杉の意見の違いなど
テレビシリーズでは描き切れなかった殺し屋達の心の裏側が興味深い。

特にかつての女を仕掛けなければならない梅安の心情、
死にゆくお千代との人間関係のアヤの付け方など
安倍徹郎の脚本が冴えわたる。うまい。

人間描写、見せ場の卓越さは
確かに他の映画化作品より群を抜いている。

必殺を理解する上で一度は観ておくべき一本。

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